頭痛「やりすごす」人が7割以上 原因の一つはストレス

2014年03月18日 03:09

 半数以上の人が、慢性的な頭痛に悩まされていることがeヘルスケアの調べで分かった。10代以上の男女1071人に対し慢性頭痛についてインターネット上でアンケートを行ったもの。有効回答数1071件。調査期間2月25日~2月27日。

 「慢性的な頭痛を経験したことがありますか」との問いに、「ある」と答えた人は42%、一方 「ない」 は57%。 「慢性的な頭痛がある」と回答した459人を対象に、「頭痛になった時、病院で受診しましたか」と聞いたところ、「受診した」 が28%、 「受診しない」 が72%となり、7割以上の人が頭痛を感じながらも具体的な受診行動までは至らないという結果となった。

 「受診しない」と答えた人を対象に、「なぜ受診しなかったのか?」と聞いたところ、「がまんできる」 が30%、「病院を受診しても根本的には治らないと思っている」28%、 「市販薬で済ませられる」 57%、 「すぐに治ると思う」 23%、「体質なので諦めている」 23%、「忙しい、時間がない」 25% 、「その他」 15%となった。頭痛が生じてもいつものこととしてとらえ、市販薬を使ったり、我慢したりなどして、なんとかやり過ごしている姿が浮かび上がってくる。

 しかし、これでは頭痛の原因を根本から断ち切ることができない。

 米神経学会は、ストレスが増えるほど頭痛が増える傾向にあるという趣旨の発表を行っている。21歳から71歳までの成人5100名強を対象に、頭痛の回数とその際に感じられたストレスレベルを0から100で評価してもらったところ、いくつかの頭痛の型があるにせよ、どのような人々でも、ストレスが増えるとそれに伴い頭痛の回数も増えることがわかったという。

 「今回の結果から、ストレスは慢性的頭痛症候群の開始の引き金を引くことに関与していることがわかりました。さらに頭痛それ自体も、ストレスの原因となりうると考えられる」と、著者のSara H. Schramm氏はコメントしている。

 頭痛には、「くも膜下出血」や「脳腫瘍」といった器質性頭痛も含まれているが全体の1割にすぎない。9割が慢性的に生じる機能性頭痛である。これらのほとんどは、深刻な病気に発展することがない代わりに、しばしば、または頻繁にやってきては我々に文字通り頭を抱えさせる。

 今回の調査では、頭痛に対して積極的に対処しない人々の姿が浮き彫りにされたが、頭痛の一因がストレスだとすれば、対処すべきは頭痛よりも自分を取り巻くストレス状況なのかもしれない。頭痛を感じたら、鎮痛剤を口にほうり込む代わりに、映画に出掛けたり、美味しいものを食べたり等の行動をとってみるのも、たまにはいいかもしれない(編集担当:堺不二子)。