ルネサス エレクトロニクスは<6723>は20日、ジェイデバイスと、ルネサスの100%連結子会社であるルネサスセミコンダクタ・シンガポール社(Renesas Semiconductor Singapore:RSS)が保有する半導体製造設備の内、両社で合意した設備を、ジェイデバイスの子会社であるジェイデバイスセミコンダクタに譲渡することで合意したと発表した。
また、今回の譲渡に伴い、RSSで生産中の製品のうち両社で合意した製品について、ルネサスからジェイデバイスセミコンダクタに製造委託することについても合意した。2016年3月期中に譲渡し、同年3月期の下期中に委託を開始する予定。
ルネサスは、事業基盤の強化に向け、製造効率の向上、フレキシブルな製造体制、優位化技術の維持・強化を目的に同社グループの製造拠点の再編を進めている。その中で、後工程製造拠点については、付加価値に応じた生産配分を考慮しつつアウトソーシング製造比率を高めていくという戦略で推進してきた。2013年に国内の3つの後工程製造拠点を当社の後工程製造における戦略パートナーであるジェイデバイスへ譲渡し、製造委託へ切り替えるなど再編を進めている。
今回、シンガポールにおける今後の製造ビジネスの拡張性および海外拠点の効率的な運用の観点から、RSSが保有する同件譲渡設備をジェイデバイスの100%連結子会社であるジェイデバイスセミコンダクタに譲渡するとともに、RSSで生産中の製品については、車載製品対応に実績のあるジェイデバイスセミコンダクタおよびルネサスの後工程製造会社に移管することとした。
同件譲渡に伴い、現時点では、RSSでの製造を2016年3月期の下期中に終了する方針で現地労働組合との間で協議を開始した。また、RSSで生産中の製品については、ジェイデバイスセミコンダクタの熊本工場やルネサスの海外後工程製造会社であるルネサスセミコンダクタ・ケイエル社(Renesas Semiconductor KL Sdn. Bhd.)およびルネサス セミコンダクタ九州・山口の大分工場にて、これまでと同様の品質・性能で提供する。
工場売却、リストラと続くルネサスだが今回は海外子会社の製造設備の売却となった。ルネサスの迷走は続く。(編集担当:慶尾六郎)