ルネサスが再編に伴い大規模リストラ敢行

2014年02月23日 17:12

 業績悪化の一途をたどるルネサス エレクトロニクス<6723>が生産体制の再編とリストラを敢行する。同社は2014年2月19日、同日開催の取締役会で、国内の子会社を吸収分割および吸収合併し、グループ(製造関連)再編を行うと決定した。また、これにともない、対象となる拠点に勤務する社員を対象として、早期退職優遇制度を実施する。

 同社は今回の再編で、新たに子会社を2社立ち上げ、全国13の工場をそこに集約する。新子会社は、「ルネサスセミコンダクタ マニュファクチュアリング」(本社:ひたちなか市)と「ルネサスセミコンダクタ パッケージ&テスト ソリューションズ」(本社:高崎市)。

 ルネサスセミコンダクタ マニュファクチュアリングは、半導体製造の前工程を管轄する。ここには、那珂工場、甲府工場、西条工場、高崎工場、高知工場、鶴岡東工場、滋賀工場、川尻工場、山口工場を吸収する。ルネサスセミコンダクタ パッケージ&テスト ソリューションズは製造工程の後工程を管轄。米沢工場、大分工場、熊本(錦)工場、柳井工場を吸収する。

 また、これに伴い、再編の対象となる拠点に勤務する社員を対象として、早期退職優遇制度を実施する。14年2月28日から3月7日まで募集する予定で、応募者には通常の退職金に特別加算金を加算して支給する。また再就職のための再就職支援サービスの提供も行うとしている。

 ルネサスは、2012年10月にはNEC、日立製作所、三菱電機の大株主から495億円、三菱東京UFJ銀行、みずほコーポレート銀行などの主力取引行から475億円の借入を行うなど、業績がひっ迫している。そのため、大規模な再建を打ち出し、12年には7466人、13年には2316人の早期退職者をだした。またさらに、15年末までに約5400人削減する計画だ。今回の再編もその一環で、募集人員は特に定めないとしているが、今回の対象者は13工場合わせて約1万人に上る。拠点のある地域への影響が懸念される。(編集担当:慶尾六郎)