コンビニ市場、生き残りをかけた各社の施策とは

2012年08月20日 11:00

 日本フランチャイズチェーン協会の統計によると、昨年好調であった煙草の販売が鈍化したことなどにより、6月の既存店売上が9カ月ぶりにマイナスとなったコンビニエンスストア市場。しかし、新規店舗も含めた全店舗での売上高は前年同月比で2.0%増と9カ月連続でプラスとなっており、2011年の年間売上高が前年比8.2%増の8兆6769億円となった市場は、依然として好調を維持している。こうした中、コンビニエンスストア各社は商品やサービスの差別化だけでなく、様々な施策で更なる市場の拡大と、収益の確保、生き残りを賭けている。

 6月にはファミリーマートが、韓国における事業パートナーである普光ファミリーマートの社名を「BGF retail Co.,Ltd.」に変更し、資本関係をさらに強化すると発表。それと同時に、新たなブランド「CU」を立ち上げている。さらに中国においても、四川省成都市に、「青か(化の下に十)路店」、「董家湾北街店」、「青羊東一路店」の3店舗を開店。同社チェーンとしては中国内陸部へ初めて進出を果たしている。

 またセブン&アイ・ホールディングスも、同社の連結子会社である7-Eleven, Inc.が、Tetco, Inc.と店舗等の取得につき合意。コンビニエンスストア174店舗、ガソリン卸売事業を取得し、北米におけるコンビニエンスストア事業の店舗網拡大と更なる収益拡大を図っている。

 国内においても、ココストア・ココストアイースト・ココストアウエストおよびミニストップ が8月16日に、商品分野、物流分野、システム分野における業務提携に関して基本合意したと発表。同時に、ココストアの子会社であるココストアイーストならびにココストアウエストは、ミニストップと資本提携をすることにも基本合意している。

 ファミリーマートがエーエム・ピーエム・ジャパンを吸収合併したことで業界再編への動きが加速したコンビニエンスストア市場。既存店ベースでの売上が低下していることもあり、今後も新規出店及び海外展開への動きは継続するであろう。しかし近い将来、市場が飽和することも想像に難くない。そうなった時、他社との差別化を図りにくい市場であるだけに各社がどういった施策とってくるのか、楽しみなところである。