“北米マーケット”を狙い撃つ。ニューヨーク発のスバル・アウトバック登場

2014年04月21日 07:11

Outback

ニューヨーク・モーターショーで発表されたスバル・アウトバック

 米・ニューヨークで開催しているモーターショーで、スバルのクロスオーバーSUVモデル「アウトバック」の新型が発表された。富士重のフラッグシップモデルにふさわしい価値と存在感を追求したモデルチェンジだという。

 アウトバックのようなパッケージングのSUVは世界的に見ても少なく、ライバルと言えそうなのは、アウディ・オールロード・クワトロぐらい。アウトバックが北米で圧倒的な人気を得ているのも分かる。

 新型ボディの全長×全幅×全高4817×1840×1680mm、ホイールベース2745mmと堂々たるそのサイズは、ベースとなった米国仕様のレガシィ・セダンと同等の寸法である。この新型アウトバックの発表で、従来のレガシィ・ツーリングワゴンが消滅したことが決定したといえるのだろう。

 基本的なプロポーションは先代から受け継ぐ合理的な設計で、広くゆとりのあるキャビンと荷室を持ったステーションワゴン・パッケージである。従来型では、ツーリングワゴンのボディにオーバーフェンダー風のフレアでSUVを主張していたが、ステーションワゴンと訣別した新型は、張りのある面構成でフェンダーをデザイン。すっきりとした印象となった。

 フロントボディ下部のプロテクションアンダーガードは、走行フィールドを広げるだけではなく、このクルマのアクティブな印象を引き上げることにも役立っている。クロスバータイプのルーフレールにロープフックを新規採用し、自在性を高めた。また、自転車などをルーフに積み込む際に足を置くことのできるステップをサイドシル上面に設定、より多彩で安全・確実なルーフ上への積載性を実現している。

 同時に、リヤゲートを電動で開閉可能にするパワーリアゲートを採用し、任意のリヤゲート開度設定メモリー機能や反転機能を採用した。ルーフレールキャリアに長尺物を積載する際のリヤゲート開閉角度に変化を付けるなどで利便性を高めている。

 搭載するエンジンは2種。2.5リッター水平対向4気筒と3.6リッター水平対向6気筒エンジンで、いずれもターボなどの過給器が付かないNA(自然吸気)エンジンだ。最高出力は前者が175hpで後者が256hpと北米仕様で発表されている。組み合わせるトランスミッションは全車リニアトロニックと呼んでいるCVTだが、3.6リッター車は大トルクに対応したチューニングが行なわれた。いずれも6速マニュアルシフトができるパドルがステアリングに付く。駆動方式は当然ながらAWD(全輪駆動)である。

 新型のアピールポイントは充実した安全装備だ。まず、ステレオカメラを全面的に変更し、視野角、視認距離を約40%アップさせることで、プリクラッシュブレーキや全車速追従機能付クルーズコントロールといった予防安全・運転負荷軽減機能を進化させた新型「アイサイト」を採用した。また、SRF(Steering Responsive Fog Lights)を採用し、コーナリング時に片側フォグランプを自動点灯させて夜間のコーナリング時の視認性を向上させた。

 後側方視界支援策が充実しているのも特徴だ。BSD(Blind Spot Detection:死角検知機能)/LCA(Lane Change Assist:車線変更支援)/RCTA(Rear Cross Traffic Alert:後退時支援)などドライバーの死角をクルマが察知してアラートなどで警告するシステムだ。

 北米における価格などは発表されていない。また、日本への導入についてもコメントは得られていない。(編集担当:吉田恒)