転職市場が活性化している。転職支援サービス「DODA」を運営するインテリジェンスによると、同サイトに寄せられる求人数は11カ月連続で過去最多を更新。「売り手市場」を背景に、ほとんどの業界で、前向きに転職を考える人が増えている。ただしメーカー業界だけは、「会社の将来性が不安」と、ややネガティブな理由から転職を図る人が多いようだ。
インテリジェンスでは、13年10月~14年3月に「DODA」に登録した転職希望者のうち、3万5000人を対象に「転職理由」を調査。全体の1位は「ほかにやりたい仕事がある」、2位は「会社の将来性が不安」、3位は「給与に不満がある」だった。長期的に見ると、1位の「ほかにやりたい仕事がある」が増加したのに対し、2位の「会社の将来が不安」は減少傾向。その差は08年の調査開始以来、最も大きくなった。不満や不安よりも、「やりたい仕事」を求めて前向きに転職する人が増えている。
業種別では、全8業種のうち7業種で「ほかにやりたい仕事がある」が1位となった。ただ「メーカー」だけは、「会社の将来性に不安」がトップ。「DODA」編集長の木下学氏は、「製造業では領域や企業によって業績回復に差があり、国内の生産ライン縮小も続いていることが影響した」と分析している。とはいえメーカーでも、「会社の将来性に不安」を理由にあげる人が半年前と比べて1.5ポイント減少。「業界の先行きが不安」も前回5位から今回8位に下げるなど、明るい兆しもある。
性別では、男女とも「ほかにやりたい仕事がある」が1位だった。男性の2位は「会社の将来性が不安」、3位が「給与に不満がある」だったのに対し、女性の2位は「残業が多い/休日が少ない」、6位に「女性が働きにくい環境である」が入るなど、ワークライフバランス志向が伺える。一方で「市場価値を上げたい」が前回の14位から9位にランクアップするなど、キャリアアップを図る女性も増えているようだ。(編集担当:北条かや)