働く人を対象に行った「仕事に対する満足度」調査の結果が4日発表された(「リスクモンスター株式会社調べ」)。調査は、全国の20~49 歳の男女個人 600 人 を対象に行われたもの。調査期間は2014 年 1 月 18 日~1 月 19 日。
「仕事に対する継続の意識」に関して質問したところ、「今後も勤め続けたい」と答えた人が全体の69.3%。内訳は、男性が67.7%、女性が71.0%。年代別では、20 代65.5%、30 代69.5%、40 代73.0%。未婚者63.7%、既婚者75.0%となった。一方「勤め続けたくない」が30.7%。年代が上がるほど、また未婚者よりも既婚者、男性よりも女性の方がより、仕事を続けたいと考えていることがわかった。
「今後も勤め続けたい」と答えた人が一番多かった業種は、「飲食店、宿泊業」の85.7%、「建設業」84.6%、「公務」81.0%。一方、「勤め続けたくない」という回答が最も多かったのが、「農業」、「食品製造業」でいずれも50.0%。「運輸業」39.1%、「医療、福祉」37.7%。「飲食店、宿泊業」においては、共に女性の勤労意欲が高いこと、「建設業」においては、昨今のアベノミクスによる景況感の好転や、東京オリンピック招致決定などによる工事受注への期待感が表れている結果ではないかと分析している。また肉体労働が多い職種に就いている人のほうが、退職を考えている傾向にあることが伺える。
「今後も勤め続けたい」理由は、「職場環境がいいから」42.8%、「安定した会社だから」32.5%、「やりがいのある仕事だから」31.5%となり、いずれもやりがいよりも職場環境の良さや安定をより重視する姿勢が浮き彫りとなった。一方「勤め続けたくない」と答えた人の理由は、「給料が低いから」51.6%、「仕事にやりがいがないから」38.6%、「職場環境が悪いから」 35.9%。転職したい業種は、「医療、福祉」 14.7%、「公務」12.5%。一般企業よりも、医療や公務といった手堅い職種が人気となっていることがわかる。
厚生労働省発表の労働経済白書(平成20年版)によれば、仕事の満足度は、「雇用の安定」「仕事のやりがい」「休暇の取りやすさ」「収入の増加」のすべての項目において、1978年から明らかに減少の一途をたどっている。たとえば、「雇用の安定」に関しては、1978年には30%以上だった満足度が2005年には14.8%まで減少している。
仕事を続けるか否かの判断は、単純にやりがいや収入といった分かりやすい要素だけで決められるものではない。職場環境や業界の景気も関係してくるうえ、年齢や性別、配偶者や子供の有無など個々の状況によって異なってくる。終身雇用制が当たり前でなくなった今、就業状況を取り巻く環境は一層複雑化していくと考えられる。(編集担当:堺不二子)