多くの企業で業績が回復しつつあるのを受け、管理職などの「ハイクラス転職市場」も活況を呈している。管理職・グローバル人材に特化した会員制の転職サイト「ビズリーチ」の調査では、同サイトに登録しているヘッドハンターの7割が「14年のハイクラス転職市場は13年よりも好転する」と予測した。
最も好調な業界はどこか。ビズリーチでは、ヘッドハンターの予測や求人数推移から「業界別ハイクラス転職市場天気図」を発表。唯一「快晴」とされたのはソフトウェア・インターネット業界だった。ここ数年の“スマートフォンバブル”に伴うエンジニアの大量採用は落ち着きをみせているものの、今後は社内で「インターネットやSNSを活用したい」とのニーズが増え、WEBプロデューサーなどマーケティング能力のある人材へのニーズが堅調に推移するとみられる。ソフトウェア・インターネット業界では国内外企業に対する事業単位でのM&Aが加速しており、事業拡大や上場準備に伴う管理部門体制の構築のため、CFOや法務部門の採用も増加するという。
「晴れ」は「医療・ヘルスケア・化学」と「メーカー(機械・自動車)」「サービス」の3業界。医療業界ではこれまでMRや治験の外部委託が進み正社員採用は縮小傾向にあったが、14年は各社の新薬発売が見込まれ、求人数も増加する。自動車メーカー各社も円安の影響や米国市場の復調、新興国市場の堅調な伸びを受けて好調だ。工場の設備関連や生産技術の案件が増加しているという。サービス業界は各社が出店を加速しており、店舗開発や事業統括、営業統括などの求人が増加している。
過半数の業界が好調と予測された一方で、唯一「小雨」と評価されたのが「マスコミ・広告・印刷」。景気回復で広告費の微増は期待できるが、出版市場のさらなる縮小など不安要素は多い。14年は引き続き、インターネットを絡めた新規事業立ち上げ経験のある「プロデューサー」などの求人が増えると思われるが、しばらくは厳しい状況が続きそうだ。(編集担当:北条かや)