住居を購入することは、一生のうちに一度あるかないかの「大きな買い物」である。それにかかる費用はこれまで経験した買い物の金額とは比べものにならないものであり、だからこそ購入者は少しでも安い金額で購入したいと願うものである。今年の4月に行われた消費税増税前には、こうした「少しでも安い金額で購入したい」購入者が殺到し、不動産業界には一時的な「バブル」が訪れた。しかしその当時から予想されていたことではあるが、消費税増税前の駆け込み需要が終了するとともに、その住宅の着工数が減少し始めた。
30日に国土交通省が発表した4月の新設住宅着工戸数によれば、前年同月比3.3%ダウンの7万5286戸という結果であったことが分かった。こうして前年を下回るのは、2ヶ月連続のこととなる。またその減少率も3月の2.9%ダウンよりも拡大し、2012年8月の5.5%ダウン以来の水準であった。
内訳を見てみると、持家が前年同月比16.1%ダウンの2万3799戸であり、3ヶ月連続でのマイナスとなった。貸家は前年同月比12.0%アップの3万1177戸であり、こちらは14ヶ月連続でのプラス。また分譲住宅は前年同月比7.8%ダウンの1万9710戸で、やはり3ヶ月連続でのマイナスであった。分譲住宅のうち、マンションは前年同月比16.9%ダウンの8902戸で、一戸建住宅は前年同月比1.7%アップの1万737戸であった。
また地域別に見てみると、首都圏の総戸数は前年同月比9.1%ダウンという結果であり、そのうち持家は前年同月比19.%ダウン、貸家は前年同月比13.0%アップという結果。また分譲住宅は前年同月比25.9%ダウンという結果であった。近畿圏の総戸数は前年同月比16.9%アップという結果であり、そのうち持家は前年同月比17.8%ダウン、貸家は前年同月比53.4%アップという結果。また分譲住宅は前年同月比13.7%アップであった。中部圏の総戸数は前年同月比0.1%アップという結果であり、そのうち持家は前年同月比11.9%ダウン、貸家は前年同月比5.8%アップという結果。また分譲住宅は前年同月比18.5%アップであった。
増税前の駆け込み需要の時には高価格帯の商品ほどよく売れたようだが、しかしそのぶん反動減も根強いという。もちろんそれは、「高価格帯の商品」の代表である「住居」も例外ではない。こうした反動減がいつまで続くこととなるのか、その動向が注目される。(編集担当:滝川幸平)