2011年の東日本大震災以降、拡大を続ける日本の再生可能エネルギー市場。とくに太陽光発電市場は、経済産業省が2012年7月1日に固定価格買取制度(全量買取制度)を導入したことも追い風となって、中国に次ぐ世界第2位の巨大市場に成長した。
太陽光発電協会が2014年2月に発表した太陽電池セル・モジュールの出荷統計によると、2013年通年でみた日本国内の太陽電池モジュールの出荷量は、前年比約3倍増の750万5190キロワットとなっており、その内、全体の72パーセントを占める540万1071キロワットが日本メーカーによる出荷量となっている。同協会によると、今年度の出荷量も同等に推移する見通しで、日本メーカー製の比率などもほぼ同じと予測している。
多くの企業や自治体が事業として参入する、出力1000キロワット以上の大規模太陽光発電所・メガソーラーが、次々と稼動をはじめている。
つい先日の4月26日にも、大分の臨海工業地帯に「大分ソーラーパワー」が竣工したばかり。同施設は2012年11月に丸紅株式会社の子会社である大分ソーラーパワー株式会社が株式会社日立製作所に建設を依頼したもので、105ヘクタールの敷地面積に82000キロワットの発電出力を持つ太陽光発電設備を備えている。年間予想発電電力量は8700万キロワットアワーに及び、これまで国内最大だった京セラの「鹿児島七ツ島メガソーラー発電所」を上回り、現時点での国内最大のメガソーラーとなっている。積水ハウスも、鹿児島県姶良郡湧水町川西に発電容量25800キロワットのメガソーラー発電所「サンシャインエナジー湧水」や兵庫県相生市に11700キロワットの「サンシャインエナジー相生(仮称)」を建設中だ。
一般住宅向けでも、積水ハウスの2階建て住宅「ビー・モード・ジェント」やミサワホームの「「Solar Max」シリーズなど、大手住宅メーカーからは次々と、20年間固定の全量買取制度を利用できる10キロワット超の太陽光発電システム搭載の住宅が登場している。
大規模なメガソーラーは、より安定的な電力供給が可能な一方で、広大な敷地の確保が必要となるが、限られた日本の国土を考えると、住宅への太陽光発電システムの設置で屋根もどんどん有効活用すべきだ。これらの普及に伴って、「分散型発電」や「電力の地産地消」という新たな考え方も根付いていくのではないだろうか。(編集担当:藤原伊織)