安川電機が高パワー密度の次世代ドライブシステムを開発

2012年08月08日 11:00

 安川電機が、新パワーデバイスとして注目されているSiC(炭化ケイ素)を適用した高パワー密度の次世代ドライブシステムを開発したと発表。同社従来比でパワー密度25倍、体積比25分の1を実現しており、EV用モータドライブ装置やロボット駆動装置、インバータ、サーボドライブ装置などへの搭載を想定している。

 新パワーデバイスの積極的な活用と構成部品の集積化に取り組んでいる安川電機。今回開発されたドライブシステムは、正弦波PWMコンバータとPWMインバータを一体にしたAC-AC変換器から構成されており、SiCパワーデバイスを採用することで、高温動作、高速スイッチング、かつ低導通抵抗による動作を可能にしているという。これにより冷却器の小形化、主回路受動部品の小形化、低損失化することができ、変換器の高パワー密度化、超小形化を実現。同社従来体積比の25分の1(水冷)、21分の1(空冷)で、全体パワー密度15kW/L(インバータユニット部のみ128kW/L)の業界最高レベルを達成している。

 先日発表された第一四半期報告書によると連結累計期間のグループの業績が、売上高は前年同四半期比5.1%減の725億7400万円、営業利益が同53.8%減の21億8000万円、経常利益も同58.0%減の19億9800万円、四半期純利益に至っては同76.2%減の8億9600万円と苦境に立っている安川電機。新パワーデバイスとして注目されているSiCパワーデバイスを採用した今回の開発を、この苦境を脱するターニングポイントとすることが出来るのか、注目が集まるところであろう。