凍土壁は放射性物質移流や拡散防止の為でない

2014年06月15日 21:16

東京電力福島第一原発の凍土方式の陸側遮水壁は「放射性物質の『移流防止』や『拡散防止』のための構築ではなく、原子炉建屋へなどへの地下水の流入を防止するために構築するもの」。政府の公式回答。

 民主党の辻元清美衆院議員が凍土壁について質問主意書で質したのに答えた。辻元議員は「第20回特定原子力施設監視・評価検討会で資源エネルギー庁・新川達也原子力発電所事故収束対応室長は『建屋内の汚染水を建屋周辺の地下に流出させないため、建屋周辺の地下水位を建屋内の汚染水位より常に高く維持することは極めて重要』と述べ、『取り扱う地下水の総量が少ないほど、地下水位管理が比較的容易となることから、遮水効果が高く、遮水壁で囲い込む範囲が狭い、凍土方式とすることが適切』と述べている。このような議論は、水の移動と、水中にある(核)汚染物質の移動・伝播とを混同させがちな点で、大きな問題がある。汚染物質の移動ないし伝播には、もちろん移流によるものもある。しかし、建屋壁とそれを取り巻く遮水壁との間の水は、土中にあって、ほとんど静止しており、建屋内の汚染された自由水とは、様々の個所で接触状態にある。このときは、移流でなく、拡散による汚染物質の移動ないし伝播が卓越する可能性もある。今回の福島第一原子力発電所での汚染水について、経済産業省は移流と拡散に関し、どのような具体の実験事実と理論認識を持っているか、明らかにされたい」と質したもの。

 また、さらなる汚染水対策への取り組みについては「建屋への流入防止対策として凍土壁の構築に加え、雨水の浸透を防止するための発電所敷地内を舗装するなどの重層的な対策を講ずることとしているが、必要に応じ、これらの対策の見直しを検討することとしている」と答えるにとどまった。(編集担当:森高龍二)