原発事故調の証言など同意得られれば公開

2014年06月05日 15:33

 菅義偉官房長官は5日、東電福島第一原発事故に対する政府事故調査・検証委員会での調査で得た事故当時の関係者らの証言について「非公開との前提で聴いたものだが、開示に対して、本人の同意が得られ、第3者に対しての権利や利益にかかわる部分、国の安全にかかわる部分を除いては開示しても問題ないだろうとは判断している」とし「本人の意向確認など具体的な段取り作業を行うことなど早急に検討するよう指示している」と語った。

 菅官房長官は開示について同意を得られたものについては情報公開法に基づいて情報公開する方向で検討するよう指示したことを明らかにしたが、情報公開の申請があった場合に、これに対応するのか、開示同意を得られたものについて、情報公開請求を待たずに、政府として、積極的に情報開示していくのか、その点については未定だとした。

 政府の事故調は700人を超える関係者から事情を聴いている。非公開を前提に聴いてはいるものの、事故当時、関係者がどのような行動をとり、どのような状況下で判断し、行動していたのか、被災者を含め、高い関心が寄せられている。

 事故当時、第一原発にいた所員の9割もが吉田昌郎元所長の命令に反し、第2原発に避難していたことはすでに報道などで明るみになっているが、東電のモラルの問題が浮き彫りになったともいえよう。政府は情報公開請求を待って個別に開示するより、政府として証言者の同意を得られたものについては国民の誰もが情報を得られるよう積極的公開をすることが望ましい。(編集担当:森高龍二)