数年前から市場に登場し、近年の夏場は熱中症対策として摂取が推奨されていることもあり年々幅広い商品で展開されている「塩スイーツ」。そのジャンルはキャラメルやキャンディ、チョコレートなどがその主流であったが、今年はさらにバリエーションが広がっているようである。
夏の暑い日は汗をかきやすいため、”塩”を使った食材がおいしく感じられるということから、Pasco(敷島製パン)は、”塩”や塩麹を使用した「塩スイーツ」シリーズを8月1日から関東地区で発売開始。塩キャラメルクリームとホイップクリームが入った「塩キャラメルクリームパン」、白いどらやき生地で、つぶあん、マーガリン、塩ぬれえんどう豆をはさんだ「塩豆白どら焼き」、生地に塩ぬれえんどう豆をあわせた「塩豆蒸しケーキ」の3アイテムで、全商品とも生地には近時ブームとなっている発酵調味料「塩麹」を使用。”塩”ならではのさっぱりした風味を生かした、暑い夏に爽やかに楽しめるスイーツになっているという。
またカフェ・ド・クリエを展開するポッカクリエイトは、8月8日から一部店舗を除く全国のカフェ・ド・クリエ店舗において、ドリンクメニュー「ソルベージュ塩バニラ&珈琲ゼリー」を発売する。甘いバニラの味わいにまろやかな岩塩が効いたソルベージュで、ほろ苦い味わいの珈琲ゼリーをトッピングした贅沢な味わいの夏季限定商品となっている。
さらに、日本アイスクリーム協会が「アイスビズ」を提唱し、オフィスでアイスを食べて涼しくなるような取組みをする中、熱中症対策や疲労回復に加え暑い夏を涼しく過ごせるための商品として、森永乳業も、ひとくちタイプアイス「ピノ 塩ミルク」の数量限定発売を発表。ほんのり塩味のミルクアイスを、”塩”を練りこんだセミスイートチョコでコーティングしており、コンビニ限定での発売となる。
今年6月にダイドードリンコの完全子会社となったたらみは、期間限定商品としてコンビニ限定で「塩グレープフルーツゼリー」の販売を開始。「暑い日でもすっきりと食べてもらえるゼリーを作ろうという思いからこの商品は生まれました。”塩”を加えて甘味を引き立たせ、グレープフルーツですっきり爽やかに、スルスルと喉を通っていく食感を出すことに注力しました。」と開発担当者。”塩”を感じ過ぎると嫌味になってしまうし、喉が渇く。かといって”塩”が弱いと甘さが引き立たない。甘酸っぱく爽やかな味わいのグレープフルーツのゼリーに、甘さを引き立たせる”塩”を絶妙なバランスで加えることで、のど越しが良く、爽やかで、暑い夏にピッタリなものとなっている。
新しさだけでなく熱中症対策や疲労回復としての有用性から、一時的なブームとしてではなく、もはや夏の定番として定着しつつある”塩”スイーツ。スイカにかける塩や、健康食品として食されてきた梅干しなど、かねてから暑い季節に”塩”を摂取することを習慣としていたものが、形を変えて現代でも受けつがれているとも言えるのかもしれない。