今年1~5月にかけて、訪日外国人の数が激増している。そのペースは過去最高の勢いだ。日本政府観光局によると、訪日外国人数は3月、4月、5月と連続して、100万人を超え続けている。特に4月は1964年に調査が開始されてから、過去最高の数字を叩き出す結果となり、訪日外国人数は、前年同月と比べて33.4%増えて、123万1,500人にものぼった。その勢いは翌月になっても衰えを見せない。5月の訪日外国人数は、前年同月と比べて25.3%増え、109万7,200人。これまで5月としては過去最高だった2013年の87万5,408人より、約22万人以上も大きく上回ったことになる。1~5月の累計でみると、前年同期比28.4%増の、520万3,300人にものぼる。13年の1~5月は405万3,519人であるから、約115万人も増えていることになる。
日本政府観光局の発表によると、台湾、インド、中国、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、オーストラリア、アメリカ、カナダ、フランス、ドイツからの訪日外国人数が、過去最高数を記録している。5月で一番訪日外国人数が多かった国は、台湾。2位は韓国だが、4月に起きたセウォル号事故の影響で、訪日外国人数が上位の国の中でも唯一前年同月より減少している。3位は中国で、前年同月より2倍増となり、伸び率では1位になる。
特にアジアの国々の伸び率は著しく、13年7月に、東南アジアでの観光ビザを免除したことや、さらに今年3月には羽田空港の国際線を拡大し、航空座席の供給を増やしたことが、好調の結果に繋がったと言える。政府は東京五輪開催に向けて、20年までに年間の訪日外国人数を増やしたい考えだ。これまでにも官民一体となって、航空会社や旅行会社と共同で広告活動に勤しみ、日本旅行の魅力を伝えるプロモーションなども積極的に行ってきた。外国人観光客増加を目指して行われてきた、様々な取り組みの効果が、著しい外国人旅行客の増加という具体的な形になって表れているようだ。(編集担当:久保田雄城)