日本百貨店協会が発表した4月の百貨店売上高は4172億円あまりで、前年同月比-12%となった。消費増税前の駆け込み需要の反動で、6ヶ月ぶりのマイナス。ただ97年の消費税引き上げ時と比べると、その差は小さい。前回は3月の駆け込み需要が+23%、4月以降の反動減が-14%だったが、今回は駆け込み需要が25.4%と前回を2.4ポイント上回る一方、4月の減少幅は前回から2ポイント縮小するなど、底堅さもある。
反動減が最も大きかったのは「美術・宝飾・貴金属」で、前年同月比-38.9%と激減。次いで「家電」「化粧品」「家具」がそれぞれ-20%前後と、耐久消費財や買いだめできる化粧品の減少幅が大きくなっている。
百貨店協会によると、消費税が8%に上がった4月以降、最もシェアの大きい東京の売上高は前年を約15%下回る水準で推移。ただ、日を追うごとに減少幅は縮小した。都内各店では、この時期に合わせて物産展やイベントを積極展開。前年並みの来店客数を確保できたという。ただ、高級品から衣料品、日用品にいたるまで、全ての品目で前年割れしている。
一方、銀座や新宿では訪日外国人による旺盛な消費が下支えした。4月に新製品を投入した高級時計のブランドでは、前年実績をクリアするケースも。消費者の間では「付加価値志向」が続いており、購買単価は上昇している。4月後半は好天に恵まれたこともあり、客足も戻ってきた。海外ブランドの反動減が懸念されたバッグ・財布など「身のまわり品」では、特選ブランド以外のハンドバッグが好調。減少幅は9%台に収まった。
東京よりも減少幅が少なかったのは、大阪の百貨店だ。他の都市が軒並み2ケタのマイナスとなる中、大阪だけは-9%にとどまった。増床・改装効果が大きい大阪の百貨店では、4月以降も客足が好調のようだ。大阪地区は今回、反動減で18ヶ月ぶりのマイナスとなったが、他の都市と比べればかなり好調といえる。(編集担当:北条かや)