子供が小学校に上がったのをきっかけに仕事・パートを始める――そんなワークスタイルを取る母親は少なくない。だが現実には、小学生を持つパートタイマーの労働状況は厳しいようだ。東京都の2013年度パートタイマー実態調査からは、そんな小学生ママの悲鳴が聞こえてきそうだ。小学生の子を持つパートタイマーの平均年収は122.7万円で全体平均より約40万円も安く、時給換算でも55円低かった。職種も専門的業務は14%に留まる一方で補助業務が6割以上を占めていた。
回答者の内訳は、40 歳代が 25.7%と最も割合が高く、次いで 50 歳代(23.5%)、30 歳代(17.0%)、65歳以上(13.0%)、60~64 歳(10.7%)となっている。
子どもの有無と子どもの成長段階との関係では、「中学生以上の子どもがいる」(49.9%)が最も割合が高く半数を占めていた。全体では子供がいる人が6割台半ばを超えている一方で、「小学生の子どもがいる」(10.1%)、「小学校入学前の子どもがいる」(7.0%)と合計すると、小学生以下の子どもがいる人の割合は少ない傾向だ。また、「子どもはいない」も 31.9%と3割強となっていた。
年収は、「103 万円以下」が 25.5%と最も割合が高く、夫の扶養範囲内を意識した働き方が多いことがわかる。次いで「200 万円以上 300 万円未満」(22.1%)、「150 万円以上 200 万円未満」(20.0%)、「103 万円超 130 万円未満」(12.2%)となっている。平均年収額は、162.2 万円であった。
調査では子供のいるパートタイマーのうち、子供が小学生のパートタイマーについて顕著な傾向があることがわかった。
「小学生の子どもがいるパートタイマー」では「専門職・技能職など専門的業務」が14.7%と低い割合である一方、「補助的業務」が 65.3%と高い割合となっている。また1日の所定労働時間も全体より1日平均では0.5時間短い6時間、1週間では全体平均より2.3時間短い26.3時間となっていた。
さらに時給については全体平均値から55.2円も低く、年収額は122.7 万円と、全体平均値から39.5万円低くなっていた。報告書によればこの値は他のクロス集計条件で全くみられない低い額という。
生まれてすぐに自分の足で立つ子馬と異なり、人間の子どもは手がかかる。子育てと仕事の両立の悩みは、子供が乳幼児のうちだけでなく、小学生になってからも続いていることが調査からはうかがえる。(編集担当:横井楓)