韓国の大統領選挙は与党セヌリ党のパク・クネ候補が当選し、韓国初の女性大統領が誕生する。基本的に財閥系大企業に有利な現政権の経済政策は大きく変化しないと考えられるので、世界でサムスンやLGや現代やSKと競争する日本企業には不利な結果と言える。NYダウは財政の崖問題が下院議長の発言で後退し98.99ドル安。朝方の為替は円高方向に戻しドル円が一時84円割れになりユーロ円は11Ⅰ円台前半。外部条件が悪く市場の過熱警戒感もあり、日銀の政策決定会合の結果は早くても昼休みで白川日銀総裁の記者会見は大引け後。20日の日経平均は1万円の座を明け渡すかと思われた。
値は67.29円安の10093.11円だったが、その後は下げても10050円近辺で1万円を割らない。大型主力株の下落が相次いでも海外の機関投資家の先物買いが続き底堅かった。後場の午後1時過ぎに日銀の政策決定会合の結果が伝わると一瞬下げて元に戻り、しばらくして今日の最高値をつけた。それでも2時台には為替が円高に動いたため10028円まで崩れ、終値は121.07円安の10039.33円と、大幅安でも1万円台を維持して取引を終えた。4営業日ぶりの下落だが、売買代金は今日も2兆円を超えて取引は活発だった。
株式市場が複雑な反応を見せた日銀政策決定会合の結果は、買入基金を10兆円積み増して101兆円にするものの、増額対象は長短の国債に限られ、「物価上昇率目標」の導入は1月の次回会合までに検討して具体案を詰めるという煮え切らない内容。新貸出支援制度は融資残高を増やした銀行に増加分と同額の低利融資を四半期に1回、合計5回行って総額は15兆円規模。海外向け外貨建て融資も対象だが、外銀経由でヘッジファンドの円キャリー取引までひろげる話は望み薄で、1回目が6月と遅いのも影響してか、為替市場は乱高下の後、円高で反応した。
買われた業種は証券や銀行、電力、商社など。売られた業種は鉱業、精密、情報・通信、自動車、電機、パルプ・紙など。銀行、証券大手が買いを集め、三菱UFJ、三井住友FG、野村HDは年初来高値を更新した。「日経平均寄与度御三家」のファーストリテイリング、ソフトバンク、ファナックは揃って3ケタ安で、後場の日経平均を押し下げた。自動車株はトヨタが年初来高値を更新した一方、日産は野村証券が投資判断を引き下げたために売り浴びせられ値下がり率3位の62円安。三菱自動車も過去最大のリコールが判明し大幅安だった。前日に業績予想を下方修正したカプコンは176円安で、シャープも続落。防衛省が発注した防衛装備品の経費水増し問題で返納額が500億円規模と報道された三菱電機は、前場で売られた後でプラスに転じた。
今日の主役にして「新人賞」は、前日に東証1部に新規上場したばかりの住宅ローン保証会社の全国保証。ストップ高を記録し252円高の1450円で値上がり率2位と市場関係者を驚かせた。金融機関系ではなく独立系だが金融機関と組んだ保有契約件数が約50万件もあり、キャッシュも厚く、今後もディフェンシブ銘柄として意識されそうだ。(編集担当:寺尾淳)