異業種からも本格参入、成長するHEMS市場

2012年12月21日 10:10

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トヨタ自動車とトヨタメディアサービスが、新たなHEMS「H2V-α(エイチツーブイ・アルファ)」を新たに共同開発し、12月20日より発売した。

 矢野経済研究所のデータによると、スマートハウス関連主要設備機器8機器の市場規模は2020年度には2010年度比236.7%の1 兆2806 億円に拡大すると予測されている。中でも、スマートハウスの核となるHEMS市場は、2020年度には2010年度比74倍の280億円にまで拡大すると予測されているなど、住宅市場や電気機器市場を牽引することが期待されている。こうした中、トヨタ自動車とトヨタメディアサービスが、新たなHEMS「H2V-α(エイチツーブイ・アルファ)」を新たに共同開発し、12月20日より発売した。

 「H2V-α」は、有線/無線の通信回線を介して家庭内のPC、テレビやスマートフォンなどとつなげることにより、家庭全体とエアコンやリビングルームなど、分電盤の分岐単位で消費電力をリアルタイムで見える化。また、電力消費量のデータはインターネットを通じてトヨタスマートセンターに送付・蓄積され、家庭内のPC、タブレット端末やスマートフォンから、日・月単位で消費電力をチェックすることができる。さらに、2012年10月からプラグインハイブリッド車や電気自動車の充電管理機器である「H2V Manager(エイチツーブイ・マネージャー)」向けのオプションサービスとして提供開始している、電気消費量の変化の状況を遠隔地からモニタリングすることができる「e―Care(イーケアー)」も、「H2V-α」で利用できるとのこと。これにより、一人暮らしの高齢者家庭などの電気消費量をモニターすることで、安否確認にも役立てることができる。

 経済産業省の「エネルギー管理システム導入促進事業費補助金(HEMS導入事業)」の対象であり、本体および工事費の最大10万円まで補助を受けることが可能な「H2V-α」であるが、その希望小売価格78540円と他のHEMSよりも比較的安価である。比較的安価でありながら、家庭の消費電力を見える化だけでなく、節電や遠隔地で一人暮らしをする親族などの見守りサービスといった付加価値をも付いていることは、今後のHEMS機器の多様化を加速させるものとなるかもしれない。(編集担当:井畑学)