伊藤園が、溝端紙工印刷と共同で、コーヒー豆の皮「シルバースキン」を配合した紙ナプキン「シルバースキン配合紙ナプキン」を開発したと発表。スペシャルティコーヒーショップ「タリーズコーヒー」全店に7月下旬から順次導入をするとともに、9月上旬からは溝端紙工印刷より全国販売する予定だという。
シルバースキンとは、コーヒー生豆を焙煎する工程で取り除かれる薄い種皮のこと。「シルバースキン配合紙ナプキン」は、同社の販売する「TULLY’S COFFEE」シリーズなどのコーヒー飲料製品の原料豆を焙煎した時に発生するシルバースキンを配合したリサイクル紙ナプキンで、日本国内の「タリーズコーヒー」全店に「シルバースキン配合紙ナプキン」を導入した際、年間約11.7トンの原料紙パルプの削減が見込まれるという。また、紙パルプに比べて油を吸着する性質のあるシルバースキンを配合することで、通常の紙ナプキンに比べて肌触りが良く、吸水性はそのままに、吸油性が向上している。
2001年より茶殻を地球環境配慮型の工業製品などに有効活用する独自の「茶殻リサイクルシステム」を確立し、様々な環境に配慮したリサイクル製品を製造してきた伊藤園。溝端紙工印刷とは、2009年6月にお茶の抗菌・消臭効果、香りがある「お茶殻入り紙ナプキン」を共同開発し、全国の飲食店などに展開している。またタリーズコーヒーでは、今回の「シルバースキン配合紙ナプキン」の導入以前より、「茶殻リサイクルシステム」によって誕生した「お茶入りせっこうボード」を店舗に使用するなど、環境に配慮した取り組みを進めていた。
環境問題に関し、震災以降、リサイクルの話題にとって代わりエネルギー関連の話題が席巻している。こうした開発の発表を機に、もう一度リサイクルへの意識も高める必要があるのではないだろうか。