花王がインドネシアに家庭用製品の需要拡大に対応し第2工場新設

2012年07月27日 11:00

 花王がインドネシアの急速な経済発展にともなう家庭用製品の需要拡大を見込み、安定的な供給体制を強化するため、第2工場をジャカルタ郊外のカラワン工業団地に建設すると発表。用地の確保と新規設備投資を合わせ約100億円の投資で、敷地面積は現工場の1.6倍となる約14万平方メートル、2012年10月に着工し2013年末に稼動開始予定だという。

 アジア・アセアン地域において、インドネシア・中国などの成長国を最重点戦略地域と位置づけて積極的な事業拡大を進めている花王。花王インドネシアでは、1985年に洗顔料の「ビオレ」、1987年に全身洗浄料の「ビオレ」、1989年に「ロリエ」、そして1992年から衣料用洗剤「アタック」を発売し、今年はベビー用紙おむつ「メリーズ」の輸入販売も開始している。こうした中、現在稼動中の現地工場はフル稼動に近い状況にあり、現有敷地では将来の規模拡大に限界があることから、生産拠点の追加を決定したという。また第2工場は、現在建設中の香粧品などの原料に使用する界面活性剤や産業用化学製品を製造する花王インドネシア化学新工場と隣接させ、効率的な生産活動を図る。

 リーマンショックの影響により世界中で成長が著しく鈍化、もしくはマイナスとなった2009年でも実質経済成長率4.6%と好調を維持し、2010年には同6.1%、2011年も同6.5%と堅調に推移している。こうした中での日用品の需要増は必然と言えるであろう。2025年までに、名目GDPを2010年比で約6倍に増加させ、世界の10大経済大国となる目標を掲げている同国の経済成長に、どこまで日本企業が寄与し、あやかることが出来るのか。今後も目の離せない市場であろう。