東芝が四日市工場でNAND型フラッシュメモリを3割減産

2012年07月25日 11:00

 東芝が、NAND型フラッシュメモリの減産を発表。同社の生産拠点である四日市工場(三重県四日市市)において、今日から同社生産量の3割を削減する。

 NAND型フラッシュメモリのUSB・カード向け市場においては、年初来、供給過剰から価格下落が継続。こういった事態を受けて東芝は、6月からUSB・カード向け市場への出荷調整を実施していた。それに加えて今回は、稼働率を下げることで生産調整を実施。早期の需給バランス改善を図るため、市場における在庫圧縮を加速させるという。

 米国の調査会社IHS iSuppliによる2012年第1四半期のNADA型フラッシュメモリメーカー売上高ランキングにおいて、サムスンに次ぐ2位となっていた東芝。同ランキングにおいて前期比プラスとなったメーカーは東芝のみ。首位のサムスンで3.7%減、3位のマイクロンで14.3%減、5位のパワーチップに至っては34.6%減という中で、唯一19.2%増となっていた。マーケットシェアにおいても、サムスンの37.4%に対し東芝は34.2%と迫っている。これだけ好調な東芝による減産決定は、市場の在庫過剰・価格下落が想像以上に深刻であることを物語っているであろう。

 需要を牽引するPCやスマートフォンなどは、引き続き高い成長率が見込まれており、NAND型フラッシュメモリ市場全体では、今年度第2四半期(7-9月)には需給の改善が期待されている。今後市況の回復具合を見ながら稼動状況を見直すというが、回復基調に乗じてそのシェアを他国企業に奪われぬことを期待したい。