【日経平均】強敵出現ソフトバンクが足を引っ張り48円安

2014年08月04日 20:14

 Tモバイル買収に横ヤリが入ったソフトバンクは280円、3.74%の大幅安。買収提示額が安くても、アメリカ企業のスプリントが買収すれば2社が1社に減るが、Tモバイルの親会社がドイツ企業からフランス企業に交代してもスプリントと2社が並立するので反トラスト法(独占禁止法)対策で有利になり、その意味でもイリアド社は強敵と言える。

 通信工事業のミライトHD<1417>は4~6月期の営業利益が2.6倍と好調で57円高で年初来高値更新。曙ブレーキ工業<7238>は4~6月期の最終損益が赤字に転落し33円安で値下がり率5位。しかし関連会社の完全子会社化に伴う減損損失のためで販売は好調で増収。IHI<7013>は後場に4~6月期決算を発表し、売上高11.2%増、営業利益は94.7%増と約2倍。経常利益と純利益は減少しても9円高だった。決算発表前日のクボタ<6326>はUBSがレーティングを引き下げて46円安だった。

 帝人<3401>は前場に4~6月期決算を発表し、売上高は0.9%減だが営業利益は162%の大幅高で売買高11位に入り12円高。同じく繊維の東洋紡HD<3101>が後場発表した4~6月期決算は減収、2ケタ減益で5円安。1日後場に決算を発表した三井化学<4183>は4円高で続伸し年初来高値更新。ダイセル<4202>は4~6月期決算の営業利益が61%増の125億円で市場予測の108億円を上回り、バークレイズが目標株価を引き上げて52円高で年初来高値更新。三菱ケミカルHD<4188>の4~6月期決算の売上高は4%増、営業利益は25%増だったが純利益は47%減。しかし三菱化学がリチウムイオン電池用の正極材から撤退するニュースがありリストラ策好感で20円高。武田薬品<4502>の4~6月期決算は売上高ほぼ横ばい、営業利益11%増だが純利益は7%減で40.5円安。アメリカでの新製品投入コストがかさみ医療用医薬品事業の営業利益は25%減でも、「アリナミン」の錠剤もドリンクも伸びたヘルスケア事業は6%増だった。

 プリマハム<2281>が後場に4~6月期決算を発表。売上高は9.6%増だが営業利益は1.1%減、経常利益は6.2%減の増収減益決算で1円安。豚肉の高騰も今後の減益要因になる。「真冬の英雄」山崎製パン<2212>は1~6月期の営業利益が12%減の104億円で市場予測を下回り64円安で値下がり率13位。美談に業績が追いつかなかった。

 大塚商会<4768>は1~6月期決算の営業利益は25%増だったが、消費増税後の4~6月期の業績悪化を問題視され140円安で年初来安値更新。5円安の三越伊勢丹HD<3099>傘下の三越伊勢丹が1日に発表した7月の既存店売上高は夏物衣料が好調で0.9%増で4カ月ぶりに前年を上回った。伊勢丹新宿本店は+0.2%、外国人買物客が多い銀座三越は+6.0%で1年半もマイナス知らず。

 カジノ関連の日本金銭機械<6418>はアメリカのカジノ機器メーカー、フューチャーロジック社を買収・子会社化すると発表し21円高。同時発表の4~6月期決算の経常利益62.8%減は問題にされず合わせ技が鮮やかに決まった。同業のグローリー<6457>は顔認証システム採用の券売機を開発と報じられたが10円安。サイバネットシステム<4312>は35円高で年初来高値を更新し値上がり率6位。テレビ東京HD<9413>は通期営業利益見通しを33億円から45億円に上方修正すると194円高で年初来高値を更新し値上がり率4位。アニメもイベントもスポット広告も揃って好調という。

 3日続落でふるわない主力株を横目に、新興市場は日経ジャスダック平均が0.44%上昇、東証マザーズ指数が0.29%上昇。創薬ベンチャーのそーせいG<4565>は510円高で年初来高値更新。テラ<2191>は1~6月中間期と通期の連結業績予想を下方修正して60円安。カルナバイオ<4572>はTNIKキナーゼを標的とする大腸がん治療薬の開発が創薬総合支援事業のテーマに採択されたと発表するとストップ高になり150円高。アニメコンテンツ関連のディー・エル・イー<3686>は故・赤塚不二夫氏の代表作「天才バカボン」の新作長編映画を製作すると発表して124円高と買われた。これでいいのだ。

 この日の主役は、主力銘柄がふるわない中で好業績期待があり上昇が目立ったゲーム関連銘柄。Klab<3656>は売買高14位、売買代金3位に入り357円高で年初来高値を更新し値上がり率2位。LINE関連でもあるマーベラス<7844>は売買高6位、売買代金2位に入り288円高で年初来高値を更新し値上がり率1位。子どもたちの夏休みの一番人気「妖怪ウォッチ」のハピネット<7552>も197円高で年初来高値を更新し同5位と買われた。大人たちの夏休みの「NISAでお試し株式投資」でもゲーム関連銘柄はわかりやすくて売買しやすくて楽しめる、か?(編集担当:寺尾淳)