【今週の振返り】NYダウ500ドル超下落でも65円上昇した週

2014年08月02日 20:10

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どこかの国債がデフォルトしようと、欧米の株価がボロボロ下げようと、為替の円安は全てを癒す。

 前週末25日のNYダウは123ドル安で3日続落して17000ドルを割り込み、NASDAQ総合指数は22ポイント下落。悪役は前日に4~6月期決算を発表したアマゾンとVISA。アマゾンの最終損失は2012年以来最悪の1.26億ドルにのぼり、VISAは通期売上高見通しを下方修正して他のクレジットカード関連銘柄を巻き込んだ。利益確定売りの多い週末要因に、休みの間の地政学的リスク拡大への警戒感、FOMC、GDPや雇用統計の発表を控えた様子見ムードも加わって全面安。28日朝方の為替レートはドル円が101円台後半、ユーロ円が136円台後半で、前週末とほとんど変わりなかった。

 日経平均は30.89円安の15426.98円でTOPIXとともに反落スタート。「寄り安」でも序盤は小幅安水準でプラスにタッチできない。しかしNY株安が背景の売り物をこなしたのか午前9時30分を回ると状況は一変し、TOPIXを道連れにプラスに浮上。さらに10時14分には15500円台に乗せる。その水準を維持しながら上海、香港市場が5日続伸で始まるとさらに上昇して10時46分に15556円をつける。25日の先物ピーク15550円はダテではなかった。その後は15530円前後で安定的に推移し、前引けは15530円だった。

 後場は前引け水準で再開し、直後に15500円を割り込みかけるが反発。その後は午後1時台まで15520円前後での小動きが続く。変化は2時20分頃からで、いったん15530円台まで上がった後に15510円付近まで押し下げられる。それでも大引け間際にまた上昇して、終値は71.53円高の15529.40円で1月23日以来約半年ぶりの終値15500円台に乗せた。日中値幅は130円。TOPIXは+4.72の1286.07で、先物主導の日経平均に比べて控えめの上昇だった。売買高は19億株、売買代金は1兆5922億円と低調だった。

 プラスセクターの上位は銀行、パルプ・紙、海運、鉄鋼、建設、金属製品など。マイナスセクターの下位は、鉱業、精密機器、その他製品、空運、電気・ガス、不動産などだった。

 週明け28日のNYダウは22ドル高で4日ぶり反発。NASDAQは4ポイント下落した。中古住宅販売仮契約指数が市場の増加予測と逆に前月比1.1%減少し序盤は82ドル安まで下げたが、ダラス連銀製造業景況指数が堅調で、「マージャー・マンデー」でM&Aのニュースが相次いだのが刺激になりプラスに浮上した。29日朝方の為替レートはドル円は101円台後半、ユーロ円は136円台後半で、やや円安に振れていた。

 6月の労働力調査の完全失業率は3.7%で5月から0.2ポイント悪化し、有効求人倍率は1.10倍で0.01ポイント上昇して22年ぶりの高水準。家計調査の実質消費支出(2人以上世帯)は3.0%減。商業販売統計の小売売上高は全体が0.6%減、既存店ベースの大型店全体は1.8%減、百貨店は2.4%減、スーパーは1.4%減、コンビニは0.2%増だった。

 日経平均は35.39円高の15564.79円で始まる。TOPIXもプラス。先物が15600円にタッチし、現物も午前9時7分に15594円まで上昇して折り返すと始値近辺でのもみあいが続いた。9時45分頃から再び上昇し、ドル円が101円90銭付近まで円安が進むと先物主導で10時7分に15600円を突破。10時16分に15629円でピークをつける。しばらく15600円を上回っていたが、上海、香港市場は6日続伸で始まっても10時45分頃から15600円を割り込む。そのまま15580~15590台で推移して、前引けは15589円だった。

 後場は少し高く再開して約10分後に再び15600円台に乗せる。午後1時台になると前場のピークに迫り15630円をうかがう動き。少し下げても、2時すぎに為替のドル円が久しぶりに102円にタッチすると再び上昇した。ユーロ円も137円にタッチして円安進行。しかし日経平均は15610~15630円のレンジからはみ出さない小動きが続く。2時31分には15632円まで上昇したが、終盤は15620台から少し抑えられ終値は88.67円高の15618.07円で3日続伸し15600円台を回復した。日中値幅は76円と小さい。TOPIXは+4.34の1290.41で1290台に乗せた。売買高は16億株、売買代金は1兆5819億円で19日連続の売買代金2兆円割れ。

 プラス上位業種は倉庫、鉱業、情報・通信、不動産、小売、医薬品など。マイナス下位業種は石油・石炭、その他金融、銀行、パルプ・紙、保険、金属製品などだった。

 29日のNYダウは70ドル安。NASDAQは2.21ポイント下落。S&Pケース・シラー住宅価格指数が市場予測を下回ったが、CB消費者信頼感指数は6年9ヵ月ぶりの高水準。メルクやファイザーの好決算も手伝い高く始まる。しかしEUに続きオバマ大統領がエネルギー、金融、防衛産業の分野でのロシア制裁を発表するとマイナス圏に急落した。30日朝方の為替レートはドル円102円台前半、ユーロ円137円近辺で円安が進行した。

 6月の鉱工業生産指数速報値が発表され、5月の+0.7%から一転、-3.3%に悪化。日経平均は1.18円安の15616.89円でTOPIXとともに小幅反落でスタートするが、先物主導でグングン上昇し午前9時9分の15666円で折り返す。しかし9時30分頃から急落してマイナスに落ち9時41分から一時15600円割れ。その後プラスに戻っても勢いは弱く前日終値近辺にとどまり、TOPIXはずっとマイナス。しかし上海と香港がともに7日続伸で始まるとTOPIXはプラスに浮上して日経平均も値を切り上げ、11時台には15600円を超えてこの日の高値圏に。前引けは15660円で、TOPIXはこの日の高値で前場を終えた。