ハウス食品が、広島大学との共同研究において、タマネギエキスの継続摂取が食後の血管内皮機能を改善する効果があることを臨床試験により確認したと発表。タマネギによる血液サラサラ効果を臨床試験により実証したものとなる。
タマネギには血液サラサラ効果があると一般的に言われているものの、この効果を臨床試験で実証した研究は実際には多くなかったという。そこでハウス食品は、タマネギには血管を保護する効果があり、その結果、血液サラサラ効果を生み出すのではないかと考え、食後の血管内皮機能に着目。血管の最も内層に位置する血管内皮は、血液や血管の健康を保つ機能を有しており、この機能が正常であれば、血管が柔軟に拡張し、血液がサラサラに流れると考えられるとのこと。しかし、血管内皮機能は食事に含まれる糖分により、食後一時的に低下する。その為、食後の血管内皮機能低下を抑えることができれば、効果的に血管の機能を健全に保つことができるのではないかと考え、研究を実施していた。
そして今回、ポリフェノールの一種であるケルセチンを含む濃縮タマネギエキスの摂取によって、食後の血管内皮機能が改善されることを確認。ケルセチンは抗酸化力が高いことで知られており、生体外での研究では血管内皮機能を改善することが報告されていたが、ヒトでの実験効果は確認されていなかったもの。それが今回の臨床実験により、健康な男性において食後の血管内皮機能を改善することが示されたという。
タマネギエキスを配合したサプリメントはかねてから多く発売されているものの、一定の市場を確立しているとは言い難いものである。今回の臨床試験結果や今後の研究により、グルコサミンやプラセンタといった成分のような、一大市場を形成することができるのであろうか。今度の研究・製品化の進展に注目したい。