楽天の子会社であるKobo社が、7月19日から日本国内向けの電子ブックリーダー「kobo Touch(コボ タッチ)」の販売およびコンテンツの配信を開始すると発表。税込価格は7980円。角川グループや幻冬舎、講談社、小学館、文藝春秋など国内大手出版社の電子書籍コンテンツを多数ラインナップし、独占先行配信のコンテンツも用意されているという。
電子ブックリーダー「kobo Touch」は、カナダや米国、英国、フランスをはじめ世界190カ国、900万人が利用する世界有数の電子ブックリーダー。端末の販売は「楽天市場」をはじめ、ビックカメラ・ソフマップ・コジマ・Joshin・ヨドバシカメラといった大手家電量販店に加え、TSUTAYA(代官山 蔦屋書店2号館2階「ラウンジAnjin」、三軒茶屋店、EBISUBASHI、福岡天神、TOKYO ROPPONGI)各店での店頭販売も本日から順次開始されるとのこと。また、丸善・ジュンク堂・文教堂、TSUTAYAといった大手書店での店頭展示およびプロモーションも実施される。
「koboイーブックストア」を通して配信されるコンテンツは、小説やエッセイ、ビジネス書、コミックなど多岐にわたるジャンルから、日本語以外のコンテンツを含め約240万冊。コンテンツフォーマットには世界標準規格の「EPUB3.0」を採用し、日本語の縦書きやルビ表示など日本語独特の表現に対応、「EPUB3.0」の日本語コンテンツを全面採用するのは、電子書籍ストアとしては「koboイーブックストア」が初めてとなる。
また、出版社の協力の下、「余った傘はありません」(鳥居みゆき著、幻冬舎)や「おとうさんは同級生」(澤本嘉光著、幻冬舎)、『ドラッカー名著集1から15』(ピーター・F・ドラッカー著、ダイヤモンド社)など全20タイトルが独占先行配信。7月17日に決定した直木賞受賞作品「鍵のない夢を見る」(辻村深月著、文藝春秋)も配信される。
大手出版社が参画する出版デジタル機構が今年4月にスタートし、アマゾンが電子書籍リーダー「キンドル」の近日発売を発表、販売開始をEメールで通知するサービスを開始するなど、2010年よりも「元年」と呼ぶにふさわしい動きを見せている電子書籍市場。その勢いそのままに、目論見・期待通りの市場拡大を成し遂げることは出来るのであろうか。今年最も注目を集める市場の一つと言えるであろう。