日本人の「有休取得予定日数」世界ワースト1位

2014年09月11日 12:14

 政府がいくら「ワークライフバランスの実現」を謳っても、日本人の「働き過ぎ」はなかなか改善されない。厚生労働省の調査によれば、日本人の有休取得率(2012年)は47.1%で、前年より2.2ポイント低下した。長期的にみても、有休取得率は減少傾向にある。

 日本の会社員が「休まない」のは、国際比較調査でも際立っている。旅行の口コミサイトを運営するトリップアドバイザーの日本法人が、世界10カ国の休暇事情について調査したところ、日本の有職者の「平均有給休暇日数」は、世界ワースト2位の年間19日。1位のアメリカ(18日)に次いで少なかった。さらに、実際に「取得予定の有給休暇日数」に至っては、世界ワースト1位の11日となっている。

 調査はトリップアドバイザーが2014年8月9日~14日にかけて、日本、アメリカ、オーストラリア、ブラジル、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、スペイン、イギリスの計10カ国の自社サイトユーザー1万6147名に対しウェブ上で実施。そのうち、有職者の回答を集計した。

 世界で最も、付与されている有給休暇の日数が長いのはフランス人。年間31日もの有給休暇があり、うち平均28日が取得される予定という。ドイツやブラジル、スペインでも、それぞれ年間約25日の有給休暇が付与されており、うちほとんどを取得する予定となっている。有休日数がワースト1位だったアメリカでさえ、付与された18日より2日多い、20日間の休みを取るとの結果だった。そんな中、日本人が年間19日のうち11日しか使っていないというのは、明らかに少ない印象を受ける。

 「昨年は有給休暇を充分に取得できなかった」と回答した日本人有職者にその理由を聞いたところ、「仕事が忙しかった(61.4%)」に次いで多いかったのは、「休める雰囲気ではなかった(32.5%)」、「同僚に気をつかった(21%)」などとなっている。仕事が忙しいのはもとより、休暇を取りにくい雰囲気がまだまだ日本には蔓延しているようだ。(編集担当:北条かや)