政府は成長戦略で、「全上場企業において、役員に1人は女性を登用する」ことを目標に掲げている。現状では、上場企業3608社の女性役員比率は1.2%にすぎず、目標達成への道のりは遠い。「管理職になる自信がない、ワークライフバランスが難しそう」など、昇進に積極的ではない女性たちも目立つ。
実際に管理職を務める女性たちは、どのような考えで仕事に挑んでいるのだろうか。転職サイト「リクナビNEXT」編集部が今年6月、全国の30代男女ビジネスパーソン668名にアンケートを実施したところ、女性管理職は男性管理職よりも自分への評価に「満足」しており、仕事に「やりがい」を感じ、さらに「プライベートとの両立もできている」と感じる人が多いという結果になった。
同調査では、男女の管理職それぞれに対し、今の仕事に対する姿勢や思いなどを尋ねた。方法はウェブアンケート。まず、「会社からの評価(賞与が高い、上司からの信頼など)に満足している」と答えた人の割合をみると、男性(管理職、以下同)が38.3%に対し、女性(同)は54.6%と、16ポイントの差がついた。「ワークライフバランスがとれている」と答えた人も、男性34.4%、女性50.7%と大きく違いがある。
「仕事に対する意欲」についても、男女で大きな差がある。「仕事が楽しい」と答えた人は、男性管理職42.2%に対し、女性管理職は52%。「やりがいがある」も、男性が50.6%に対し、女性は58.7%と高かった。さらに「成長実感がある」との回答も、男性40.9%に対して女性は46.7%と高く、全体として女性管理職の方が、仕事の「楽しさ、やりがい、成長実感」を覚えているという結果になった。
女性が管理職になると、男性社会で厳しい評価にさらされるのではないか、とか、仕事に追われて両立が大変そう、というのは、一面的な見方かもしれない。管理職になれば自分で時間をコントロールすることができ、かえってワークライフバランスの実現がしやすくなるケースもある。「女性の活躍」というスローガンに踊らされるのは良くないが、実際に働く管理職女性たちのこうした実態は、もっと広く知られてもいいはずだ。(編集担当:北条かや)