外交活動を支える調査研究 抜本的見直し検討

2012年07月17日 11:00

 外務省は公益財団法人日本国際問題研究所に対する補助金について「省庁版事業仕分けで補助金を廃止すべきとの判定が下されたが、外務省としてどのような対応をとるのか」と衆議院の浅野貴博議員(新党大地・真民主)に質され「6月20日に実施した行政事業レビュー公開プロセスの結論を真摯に受け止める」とし「外交活動を支える調査研究、国内及び諸外国の調査研究団体、有識者等との関係の構築、維持及び強化の在り方等について抜本的な検討を行う考え」と回答したが「行う」と断定しなかった。

 また、日本国際問題研究所について、浅野議員が「人件費等様々な経費を国民の税金から拠出した分に見合う分、同研究所が国益に貢献することがあったか」と質したことには「目的に則した公益に資する活動を実施してきているものと考えている」とし、補助金に見合った貢献をしているとの認識を示した。

 日本国際問題研究所は「国際問題の調査研究、知識の普及、情報の頒布、大学及び研究団体における国際問題の研究の奨励、我が国の外交政策の企画に対する建設的な構想の提供を行い、世界の平和と人類進歩に寄与することを目的」として、昭和34年に任意団体として設立され、翌年に財団法人、今年4月に公益財団法人になった。

 研究所収入の約半分(22年度は51.2%、23年度は49.1%)が外務省からの補助金で成り立っている。補助額は22年度が約4億円、23年度は約3億5000万円。 同研究所への天下り(再就職者)は平成21年度から23年度までの間では出ていない。(編集担当:森高龍二)