ヤマハ発、マリン市場に活力を与えるスポーツボートのニューモデル発売

2012年12月23日 14:15

091ヤマハ(ボート)

国内のプレジャーボートで高いシェアを誇るヤマハ発動機は、ニューモデル「212X」、および「AR192」を加えたスポーツボートの2013年モデルを、2012年12月より順次発売している。

 近年、国内外のマリンレジャー市場は減少傾向にあり、国内のプレジャーボート出荷隻数及びプレジャーボート保有隻数もピーク時から大幅に減少している。また、平成20年秋の金融危機が引き金となりプレジャーボートの主要市場であった北米、欧州も大幅に販売数が縮小。プレジャーボートを取り巻く環境は決して明るくないのが現状だ。

 レジャー白書によると、国内のマリンレジャー参加人口は、ピーク時である平成6年度の160万人から平成21年には80万人と半分に減少している。プレジャーボート出荷隻数においても平成2年度のピーク時の3.5万隻から平成21年度の7.2千隻と激変しており、平成22年度の出荷数は8.5千隻と推移。また保有隻数も平成12年度の約34万隻をピークに平成21年は約23万隻まで減少している。

 そのような厳しい環境の下、国内のプレジャーボートで高いシェアを誇るヤマハ発動機では、ニューモデル「212X」、および「AR192」を加えたスポーツボートの2013年モデルを、2012年12月より順次発売する。これまでもヤマハスポーツボートは、いずれもジェット推進式のエンジンを搭載してきた。パワフルな加速と高いスピード性能、軽快なハンドリング、多彩なマリンレジャーに対応する高い機能性、洗練されたデザインなどにより、北米市場を中心に現在も根強い人気を得ている。

 「212X」は21フィートの艇体に総排気量1,812cm3のNA High Output(ハイアウトプット)エンジン(180馬力)を2基搭載し、圧倒的なスピード性能、加速性能を発揮。さらに、ウエイクボードに最適なウォーターバラストタンクやトーイングゲート、快適なラウンジシートを備えたハイパフォーマンスモデルだという。さらに「AR192」はスーパーチャージャーを搭載したSuper High Output(スーパーハイアウトプット)エンジン(総排気量1,812cm3/210馬力)を1基搭載。優れた走行性能とアクティブなハンドリングを両立したほか、19フィートモデルというコンパクトな艇体ながらスペースをフル活用したワンランク上の居住性を実現している。また、継続モデルとなる「AR190」「AR240 High Output」「SX210」についても、一部仕様を変更し、使い勝手を向上。5モデル合計で60隻を予定している。

 現在、不調のマリン市場でありながら、国内の小型船舶操縦免許保有者数は約320万人もいるとされ、なかでも1級小型船舶免許の取得が容易となったことで免許所有者数が大幅に増加するなど、上向きのデータも見ることができる。世界的な不況が今もなお継続している現在、経済的にネガティブな情報に惑わされ過ぎることなく、余暇のアクティビティを充実させる余裕を人々が気持ちの上で持つことも、景気回復へのきっかけになるのかもしれない。