パリモーターショーで世界初公開、VWポロGTIの全貌

2014年10月11日 18:14

 10月2日~19日に開催のパリモーターショーで、コンパクトながらパワフルな新型フォルクスワーゲン(VW)ポロGTIが発表された。このニューモデルは、約30 年前の1985年に登場した伝説のポロG40でスタートしたポロのスポーティモデルの伝統を継承し、第4世代ポロGTIに昇華させたという。

 搭載する新型1.8リッターTSIエンジンのパワーは、先代(1.4TSI)比12ps 増となる192ps(141kW)となった。歴代ポロの中でも最強の「ポロR WRC」(2013年WRCデビュー、その年のチャンピオンに輝いたWRカーの公道バージョン)に近いレベルに達した。

 新型ポロGTIは、今回日本でも発売が決まったノーマルバージョンのブルーGTの最高出力150psとの差が42ps。GTIの1.8TSI ユニットは、4200~62200rpm(6速マニュアル)、5400~6200rpm(7速DSG)で最高出力を発生する。両エンジン出力の違いは、ギアボックスの設計パラメーターによる技術的な差違に由来。最大トルクについても同様のことが言え、DSGバージョンは、1300~5400rpmで250Nmの最大トルクを発生する。一方、6 速マニュアル・バージョンは、1400~4200rpmで320Nmの最大トルクとなる。

 新型ポロGTIの最高速度は236km/h。すでに完売した220ps(162kW)のポロR WRC と比較してもわずかに7km/hの差だ。新型ポロGTI は、7速DSG、6 速マニュアルともに0~100km/h加速は6.7 秒で完了する。これはポロR WRC比で0.3秒遅いだけだ。

 新型ポロGTI のスポーツサスペンションは、驚異的な俊敏性と確実なハンドリングを実現したという。基本レイアウトは、フロントにマクファーソンストラット、リヤにトーションビームを採用するポロの基本レイアウトだ。が、GTIのシャシーは、ノーマルポロ比でフロントが10mm、リヤが15mm低い。ロールを最小限に抑えつつ、究極の俊敏性とレスポンスを持つポロGTIサスペンションを獲得。フロントに配置したより強力なアンチロールバーも、この特性に寄与する。ホイールサイズは7J から7.5J にアップ、17 インチアルミホイールには215/40R17タイヤが組み合わされる。高精度で最新の電動パワーステアリングの採用も、ハンドリング特性を向上させ、驚異的なレスポンスを実現した。

 ポロGTI には、サーキット走行にも対応するエレクトロニックスタビリティ コントロールシステム(ESC)が標準装備となる。このESCは、ドライバーがクルマの挙動を積極的にコントロールしたいサーキット走行などで大きなアドバンテージとなる。このシステムではESCを完全に解除する必要がなく、インフォテインメントシステム・メニューで、ESC モードオプションが設定から「ASR OFF」と「ESC Sport」を直接切り替えることができる。

 スポーツ性とニュートラルな特性をバランスさせるポロGTIのシャシー、精密な電動パワーステアリングなどの電子制御システムが相まって、ドライビングダイナミクスにまったく影響を与えずに、高レベルのアクティブセーフティを提供するというわけだ。

 新形状のバンパー、GTI バッジ、専用ホイールと赤いラジエーターグリルストリップなどダイナミックなエクステリアに、シリーズ初となるLED ヘッドライト(ハイビームおよびロービーム)とLEDデイタイム ランニング ライトが採用。また、GTI伝統のハニカム構造ラジエーターグリルに施された赤いフレームが、このモデルがポロGTIであることを主張する。ラジエーターグリル下の大型エアインテークにもハニカムグリルが流用されるとともに、両サイドにはフォグランプ(コーナリングライトを含む)とハイグロス「ブラック」スプリッターを標準装備した。

 GTI スタイルの新しい17インチアルミホイールとその隙間から見える赤いブレーキキャリパーが、ポロGTIのスポーティなスタイルを強調。さらに、GTI専用ルーフスポイラー、ルーフアンテナ、ダークレッド・テールライトクラスター、ブラックディフューザー、左側に配置されたクロームのデュアルエキゾーストパイプでリヤエンドにもスポーティな造形が溢れる。(編集担当:吉田恒)