フォルクスワーゲン（VW）ジャパンは、「ゴルフ誕生40 周年」を記念した特別限定車「ゴルフGTI パフォーマンス」の概要を発表した。同限定モデルは、9 月27 日から、国内VW正規ディーラーで受注を開始する。

　今回、導入する「ゴルフGTIパフォーマンス」は昨年、輸入車で初めて「日本カー・オブ・ザ・イヤー」に輝いた7 代目「VWゴルフ」のGTI モデルの限定車。このGTIをベースに、さまざまな専用チューニングを行なったピュアスポーツモデルだ。

　今回導入する「ゴルフGTIパフォーマンス」は、日本に合計500台の限定モデルで、その内訳は、このモデル専用のボディカラーであるカーボンスチールグレーメタリック300 台と、標準仕様のゴルフGTIで人気のあるピュアホワイト200台。価格は435万円（税込）で、納車は今年11月を予定する。

　ゴルフGTIは、ホットハッチの代名詞として「GTIクラス」というカテゴリーを築いた立役者。VWの伝説的なスポーツモデルとして世界的に広く知られている。歴代GTIは、ゴルフがモデルチェンジを受けるたびに期待を超えるパフォーマンスとダイナミクスを実現してきた。

　今回の限定車のエクステリアは、専用の19 インチアルミホイールを標準装着することで、視覚的にもワイドアンドローなプロポーションが強調されている。この大径アルミはスタイリングのためだけに採用したわけではない。後述するエンジンのパワーアップに対処してブレーキ性能もアップグレードしているのだ。通常のゴルフGTIの4 輪ディスクブレーキローターのサイズは、フロント312mm×25mm で、リヤ300mm×12mmだが、GTIパフォーマンスのディスクは、フロント340mm×30mm、リヤ310mm×22mm。ひと回り大きく厚いサイズのディスクローターを装着している。加えて、通常仕様のGTIでは放熱性に優れたベンチレーテッドディスクはフロントだけに採用しているが、限定モデルでは四輪のすべてに標準装着とした。これにより、強力なストッピングパワーが得られ、よりハードな走行にも対応できる。

　搭載するパワーユニットは、現行のGTIに搭載されているターボチャージャー付きのTSI エンジン。今回導入する「ゴルフGTIパフォーマンス」搭載にあたって細部のチューンアップを行ない、最大トルク350Nm／1500~4,600rpmは同じだが、最高出力は標準のGTIに対して10psアップした、230ps／4700~6200rpmとした。これにより、250km／h の最高速度と0-100km／h：6.4 秒という鋭い加速が得られた。

　「ゴルフGTI パフォーマンス」のために新たに開発されたメカニズムは、電子制御油圧式フロントディファレンシャルロック。FF車がコーナリングする場合、一般的に内輪にかかるトラクションは抜けやすい。コーナーで加速しようとスロットルを開けるとアンダーステア傾向を示す。そこでGTIパフォーマンスは、電子制御油圧式フロントディファレンシャルロックを標準装着することで、前輪の左右いずれかの空転を検知すると、状況に応じてトラクションの低いホイールから高いホイールに駆動トルクを0～100％の間で再配分する。このデフの搭載でエンジンパワーを100％無駄なく路面に伝達し、理想的な走行ラインをとれるという。コーナーからの脱出速度が向上するなど、FFスポーツモデルにふさわしいハンドリング性能を実現した。

　また、標準装備する電子制御式サスペンションシステム、アダプティブシャシーコントロール“DCC”は、ダンパーの減衰力や電動パワーステアリングの特性を瞬時にコントロールして、快適な乗り心地と操縦性を提供する。スイッチひとつで、日常の走行に適した「ノーマル」から、快適な乗り心地を維持する「コンフォート」、そして、俊敏性を高める「スポーツ」の3つのドライビングモードを選択できる。

　一方、インテリアは、「GTI」伝統のタータンチェック柄のシートだが、専用のファブリックとアルカンターラシートを組み合わせた上質な室内空間を実現している。また、最新式のVW純正インフォテイメントシステム“Discover Pro”を標準装備する。このナビシステムは、オーディオ操作、車両のあらゆる設定が画面上でできるドライビングプロファイル機能に加え、 “DCC”の操作なども一括して行なうことができる。また、このナビシステムには、ITSスポットに対応したDSRC車載機（ETC機能付き）や、iPodやiPhoneに対応した接続メカ“MEDIA-IN”も付属している。

　特別限定車「ゴルフGTIパフォーマンス」の価格は435.0万円。（編集担当：吉田恒）

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