下村博文文部科学大臣は公立小学校の学級定員を35人から40人にする財務省の見直し方針に、改めて「到底容認することはできない」と受け入れ拒否の姿勢を鮮明にした。そのうえで「財務省には理解を得るように努力していきたい」と述べた。
下村文部科学大臣は「財政だけで教育の方針を変えるのは将来を誤ることになる。世の中が高度化、複雑化してきている一方で、家庭での教育力が低下している。より少人数(学級)の方が教育効果は上がる」とし「教育力そのものが国力につながってくる」と語った。
40人学級に対する下村文部科学大臣の考えは10月29日の衆院文部科学委員会でも、生活の党の青木愛議員の質問に答え、反対する考えを示していた。
青木議員が「財務省は公立小学校の1年生で導入されている35人学級を見直し、1学級40人体制に見直す見直し案を27日の財政審で取り上げた。40人学級に戻せば必要な教職員数が約4000人減り、人件費の国庫負担分を年間約86億円削減できるとの試算を提示している。全国約3万校ある公立小中学校、全て標準的な規模、1校当たり12学級以上に統合すると必要な教員数は小学校だけで今よりも約18000人少なくなるという試算をもとに、来年度の予算で教員の定員削減と人件費の抑制を文科省に求めている。文部科学大臣の考えを」と質した。
下村文部科学大臣は「学校を取り巻く環境が複雑化、困難化し、教員に求められる役割も拡大する中、教員が授業など子供への指導により専念できる環境をつくるべきときに40人学級に戻すとの主張は文部科学省の考え方や学校現場、保護者の声とは相入れない」と答弁。「文科省として計画的な指導体制の整備を図ることができるよう、各方面の理解を得つつ、財政当局と折衝し、教職員定数改善計画の実現に向けて最大限の努力をしていく」と答えた。財務・文部両省での綱引きが激しくなりそう。(編集担当:森高龍二)