お正月を祝う伝統料理である「おせち料理」。最近では全て手作りする人が減り、スーパーや百貨店、ネットなどで「お取り寄せ」する家庭も増えてきた。食の好みの多様化や、単身世帯の増加で、おせち自体を食べない人も多い。クロス・マーケティングが今年11月、全国の男女9628人を対象に行った調査では、来年のお正月を「家族や親戚と祝う予定がある」人は50%と半数。「祝う予定はない」が21%、「まだ決まっていない・わからない」は28%だった。お正月を家族・親戚と祝わない理由は、「もともと正月を家族や親戚と祝う習慣がない」(21%)、「正月の伝統・文化に特にこだわりがない」(18%)、「家族や親戚と予定が合わない」(13%)の順だった。未婚男女や家族と別居している人では、「実家に帰省しないから」という理由が最も多かった。単身世帯では、手間のかかるおせちを食べる機会は減るだろう。
家族と過ごす予定がある人のうち、「おせち料理を食べる予定がある」は78%だった。日本人全体でみると、おせちを食べる人は4割前後ということになる。男女ともに50~60代の既婚者で「おせちを食べる予定がある」割合が83%以上と高い。同居する子どもの有無にはあまり関係がなく、50~60代は最もおせち料理に親しんでいるといえそうだ。
おせちを食べる人の中で最も多かったのは、「半分以上の料理については購入、一部の料理は家で誰かが手作り」で34%、続いて「半分以上の料理については家で誰かが手作りするが、一部の料理は購入」で33%、「すべて家で誰かが手作り」が14%で、「すべて外で購入する」が14%だった。全体の3分の2近くの家庭が、取り寄せおせちと手作りのおせちを併用しているようだ。
おせちを食べない人に理由を尋ねたところ、「おせちが好きではない」(34%)が最も高く、次いで「買ったり作ったりするとお金がかかる」(28%)、「おせちを食べる日本の文化・伝統に特にこだわりがない」(23%)となっている。他にも「家族で海外旅行に行くから」など、ライフスタイルの多様化により、伝統的なお正月料理を食べない人も多いようだ。(編集担当:北条かや)