昨年、訪日外国人数は1,300万人を超えた。2020年の東京オリンピックに向け今後、まずまず増加の一途にある訪日外国人と国内外の観光客を、無料WiFiとコンテンツサービスの提供によって取り込もうとするインバウンド・ビジネスが、日本全国で一気にヒートアップしている。
昨年、訪日外国人数は1,300万人を超えた(国土交通省観光庁発表)。今年はさらに、JTBが昨年12月に発表した予測では、1,500万人を超えるという。2020年の東京オリンピックに向け今後、まずまず増加の一途にある訪日外国人と国内外の観光客を、無料WiFiとコンテンツサービスの提供によって取り込もうとするインバウンド・ビジネスが、日本全国で一気にヒートアップしている。
昨年12月13日には、ワイヤ・アンド・ワイヤレスと京都市など自治体、法人、全17団体が連合して、訪日外国人向けに無料Wi-Fi接続をはじめとする各種サービスを提供する「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」プロジェクトを発足。すでに、訪日外国人向けスマートフォンアプリ「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」の提供(Google Play および App Store にて順次配信)を開始している。
「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」は、訪日外国人の旅行をより快適にするためのアプリでダウンロードすると、全国20万か所以上のWi-Fiスポットを無料で利用でき、国内の旅行情報や施設情報が入手できるほか、参画団体が提供する各種サービスの利用も可能になる。
もうひとつのビッグプロジェクトがNTTブロードバンドプラットフォーム(NTT-BP)<9432>と自治体、法人のプロジェクト「Japan Connected-free Wi-Fi」だ。昨年12月11日、NTT-BPと京王線は訪日外国人向けに京王線および井の頭線の5駅において『KEIO FREE Wi-Fi』の提供を開始。京王グループの外国語サイト等を経由してもらうことで沿線情報を提供しビジネスにつなげようとしている。
そして今年は北陸新幹線の開通イヤーでもある。そのおひざ元、金沢市は3月の新幹線開業を前に、訪日外国人だけでなく、日本人観光客もターゲットにした「KANAZAWA FREE Wi-Fi」を同じくNTT-BPのサポートを得て今月9日よりスタートさせる。
ちなみにNTT-BPが提供するアプリ「Japan Connected-free Wi-Fi」(Android/iOS対応)をダウンロードしておくと、個別に登録等の手間をかけずに同社が提供している全国92,000か所のエリアで無料Wi-Fiが活用できる。
今後、訪日外国人や観光客を取り込んだインバウンド・ビジネスはますます過熱するだろう。一方で、無料Wi-Fiを巡っては、かねてより個人情報の漏えい等セキュリティ面の甘さが懸念されている。その対策はしっかり取ってもらい、日本での滞在と観光を世界中の多くの人たちに楽しんでもらいたいものだ。(編集担当:久保田雄城)