レクサスが昨年10月に発売した高性能クーペRC Fのレーシングモデル「RC F GT3 Concept」を東京オートサロン2015で展示した。
そもそもRC Fは「走りを愉しみたい人なら誰でも、その運転スキルに関係なく笑顔になれるスポーツカー」を開発テーマに掲げて設計した大型のスポーツクーペ。FR(後輪駆動)の量産車として初めてTVD(Torque Vectoring Differential/駆動力制御システム)をオプション設定した。TVDは走行状態に応じて駆動輪である後輪左右のトルクを最適に制御してコーナリング時の理想的な車両挙動とするメカニズムだ。制御モードは「STANDARD」「SLALOM」「CIRCUIT」を設定する。
スポーツモード付きVDIM(Vehicle Dynamics Integrated Management)は高度な車両安定化装置(VSC)で、サーキット走行などでVDIMをオフにした状態で走っても、万が一の場合に車両の乱れを緩和する「EXOERT」モードが備わっている。つまり、上下加速度センサー付きABSやTVDとの協調制御によってVDIMの車両安定性を高次元で進化させた。結果、高い安全性と走りの楽しさが両立したという。
搭載するパワーユニットは2UR-GSE型5リッターV8直噴エンジンで最新のNAユニットだ。アウトプットは477ps(351kW)/7100rpmの最高出力、54.0kg.m(530Nm)/4800~5600rpmの最大トルクとなっている。このエンジンは、タウンライドなどの低負荷時にはアトキンソンサイクル燃焼となり、低燃費に貢献する。組み合わせるトランスミッションはマニュアルモード付きの8速オートマティック。
車両価格は953.0万円で、2015年1月末に発売されるカーボンエクステリアパッケージ装着車は1030.0万円だ。なお、RC Fは月間30台の販売計画だが、発売から1カ月で900台の予約が入っているという。
レクサスは、すでにRC Fのレース車両で国内のSUPER GT「GT500」に参戦している。現在、グローバル規模でFIA(国際自動車連盟)公認の国際レース規格であるGT3に対応した車両を現在開発中だ。今回、オートサロンに展示したクルマがその「RC F GT3 Concept」だ。
レクサスではGT3に出場できるニュルブルクリンク耐久レースなどに参戦するチームに、この「RC F GT3 Concept」を供給、サポートする計画だ。(編集担当:吉田恒)