「スマホ育児」乳幼児の36%、週1回以上スマホに接触

2015年02月01日 20:05

 ここ1~2年、「スマホ育児」「スマホ子守」の是非が、多くのニュースで取り上げられている。幼い子を持つ母親たちにスマホが普及し、便利な「知育アプリ」や「子守アプリ」が増えていることも、子供たちが早くからスマホに親しむ要因だ。MMD研究所が今年1月、0歳~5歳の子を持つ20代~40代の女性558人を対象にウェブアンケートを行ったところ、4割近い乳幼児が、週1回以上スマホに触れているとの結果が出た。

 20代~40代の母親に、「自身の子供がスマートフォンを使って遊ぶことがあるか」と質問したころ、「子供一人では遊ばせないが、一緒にいる時に使う時は触らせている」が37.5%、「子供一人でも遊ばせている」が21.3%と、合わせて58.8%の人が自身の子供がスマートフォンを使って遊んだことがあると回答。さらに、子供がスマートフォンを使って遊んだことがあると回答した人を対象に、子供のスマートフォン接触頻度について聞いたところ「週に2~3回程度」が35.1%と最も多く、次いで「ほぼ毎日」が26.5%となり、1週間に1回以上使用している子供は61.6%だった。乳幼児全体でみると、週1回以上スマホに触れているのは4割にのぼる。

 子育てにおいて、スマホはどんな役割を果たしているのか。複数回答で母親に尋ねたところ、最も多かったのは「育児・子育てについて情報収集が出来る(56.8%)」、続いて「静かにさせるため(33.9%)」、「ママ友と情報交換が出来る(28.3%)」の順となった。「一緒に遊ぶため(25.6%)」や「教育・知育ができる(22%)」など、少なくない数の母親が、スマホで乳幼児とのコミュニケーションを図っている。育児に役立つ情報提供や知育サポートなど、悩める母親を手助けするアプリは豊富にある。

 一方で、全国の小児科医からなる全国小児科医会は、13年12月、「スマホに子守をさせないで!」とのキャンペーンを開始した。啓発ポスターには、「ムズかる赤ちゃんに子育てアプリの画面で応えることは、赤ちゃんの育ちをゆがめる可能性があります」など、ややセンセーショナルな文言が躍る。全国小児科医会は、ポスターを小児科などに配布し、啓蒙活動を続けている。「スマホ育児」の是非をめぐる論争にはまだ、決着がついていない。(編集担当:北条かや)