「イクメン」という言葉がすっかり定着し、最近では部下の育児に理解を示す「イクボス」に期待する声も聞かれる。そんな中、14年春に入社した男性新入社員の7割が、「子供が生まれたときには、育児休暇を取得したい」と考えていることが、日本生産性本部の調査で分かった。
調査は日本生産性本部が、2014年春と秋に実施した研修プログラム等への参加者を対象に実施。期間は2014年10月~12月で、234名から回答があった(男性148名、女性85名、性別無回答1名)。
「子供が生まれたときには、育児休暇を取得したい」という設問に対し「そう思う」とする割合は、女性新入社員の97.6%、男性新入社員の70%に達した。夫婦共働きが当たり前となり、若い男性の意識も変わりつつあるのだろう。人材採用を手がけるマイナビが昨年1月に公表した、15年卒の就活生に対する調査では、文系男子の44.1%が「育児休暇を取って積極的に子育てしたい」と答え、前年比で5ポイント増えたことが話題になった(文系女子は67.8%、理系女子では73.5%)。「育児休暇を取って子育てしたい」理由を聞くと、男女とも「子供が小さいうちはできるだけそばにいてあげたいから」が49.5%と最多を占め、次いで文系男子では「育児休暇を取るのは当然の権利だと思うから」(23.9%)、女子は文系・理系とも「育児期間中は育児に専念したいから」(文系26.6%・理系24.5%)となっている。
現在は制度が改正され、妻が専業主婦でも産後8週間以内なら、夫の育児休業が認められている。だが実際に育休を取る男性は、100人に2人もいない。厚生労働省の「平成24年度雇用均等基本調査」によると、育休を取得した男性はわずか1.89%。前回調査の2.63%より低下した。長期的にみて、1996年の0.12%と比べれば上昇傾向にあるとはいえ、取得期間は「5日未満」が41.3%と最多を占め、1か月未満が7割を超えている。100人に2人の育休取得男性のうち、4割が5日未満しか休んでいないとなると、有給休暇を使って休むのとあまり変わらない。男性の育休を、制度として定着させるには、まだまだ多くの課題がある。(編集担当:北条かや)