女性が結婚や出産を迎える30代に、労働力率が低下し、育児が落ち着いた時期に再び上昇するという「労働力率のM字カーブ」。女性の社会進出を進めるには、このM字カーブをなくすことが重要といわれている。
リクルートジョブズが、M字カーブ解消のターゲットとなる「20~49歳の既婚・子供あり女性」の就業状況を調べたところ、仕事をもっている人は全体の40.7%だった。一方、仕事をもっていない人のうち、「就業意向がある人」は51.1%で、そのうち過去1年間に仕事探しをした人は22.5%、仕事探しはしなかったが就業意向が高い人は11.2%。仕事探しはせず、「いずれは働きたい」人は17.4%で、「就業意向がない」人は8.2%にとどまった。子供のいる既婚女性のうち、6割は仕事をしていないが、そのうち半数は「条件が合えば働きに出たい」と考えている。
調査レポートは、リクルートジョブズが2013年12月に行った「主婦の就業に関する1万人調査」のうち、20~49歳の「既婚・子供あり女性」にフォーカスして分析を行ったもの。働く母親の「雇用形態」をみると、アルバイト・パートが55.8%と過半数を占めた。次いで、派遣・契約社員が7.8%、正社員が25.1%となっている。「現在は仕事をしていないが、就業意向のある母親」の希望雇用形態についても、アルバイト・パートが大多数(75.9%)を占めた。子供が幼いうちは、正社員での就業がなかなか難しい実態が伺える。
M字カーブ解消の鍵を握る、出産・育児期の女性たち。仕事と生活の比重については、「生活中心に考えた(53.7%)」、もしくは「仕事と生活のバランスが取れるようにしたい(43.5%)」と回答する人がほとんどで、多くの母親が「生活中心」の仕事観をもっている。仕事を選ぶ際に重視する項目も、1位が「転勤が無いこと」(45.1%)、2位「通勤の便が良いこと」(40.8%)、3位「希望する勤務地であること」(38.9%)となっており、多くの母親が、勤務先の「場所」を非常に重視している。育児や家事との両立が大前提のため、「長く働けそうであること(6位)」や、「安心して働けそうであること(9位)」なども上位に入った。(編集担当:北条かや)