エアバッグ問題のタカタ310億円の赤字 今後さらに損失膨らむ見通し

2015年02月10日 07:12

画・エアバッグ問題のタカタ310億円の赤字 今後さらに損失膨らむ見通し

タカタは2月5日、2015年3月期の連結最終損益を発表。前期111億円の黒字から、310億円の赤字に転落する見通しだということを明らかにした。エアバッグの不具合で250億円の赤字が予想されていたが、さらなる下方修正で赤字額が膨らむという格好となった。

 タカタ<7312>は2月5日、2015年3月期の連結最終損益を発表。前期111億円の黒字から、310億円の赤字に転落する見通しだということを明らかにした。エアバッグの不具合で250億円の赤字が予想されていたが、さらなる下方修正で赤字額が膨らむという格好となった。

 タカタのエアバッグ問題は、09年5月に米国で起こった死亡事故をきっかけに、調査が始まり、ガスを充填する装置である「インフレーター」に異常が確認されたとの報告があった。事故の原因は、エアバッグの作動時にガスを充填する圧力を受けてインフレーターが破損することにあるとされている。金属片が飛び散り、ドライバーの体に刺さって死傷するという事件がこれまでに5件報告されている。

 さらに1月18日、米国テキサス州ヒューストンで、02年製のホンダ<7267>の「アコード」を運転していたドライバーが追突事故により、タカタ製のエアバッグによって死亡したという新たな情報が飛び込んできた。遺族はタカタとホンダに対し、すでに訴訟を起こしている。ドライバーが運転していた車はリコール対象車だったが、中古車として購入したため、問題のエアバッグが搭載されているという情報を知ることがなかったという。

 タカタの14年9月決算で発表されたリコール台数は約620万台分。さらに10-12期において日本国内の約28万台がリコール対象車として加わり、特別損失は531億円にものぼった。現在も調査が続けられており、ホンダ、トヨタ<7203>、マツダ<7261>、BMWなど、世界中の国で使用されている車約1,100万台にものぼるとされ、リコール台数はさらに膨らむことが予測されている。今後タカタの責任が明確になれば、自動車メーカー各社はリコールや調査費用などをタカタに請求するとみられており、タカタの損失額はさらに膨らむ可能性がある。(編集担当:久保田雄城)