タカタ、リコール費用として450億円の特損計上

2014年07月22日 08:18

 ホンダ<7267>やトヨタ自動車<7203>などの自動車メーカーが、日本やアメリカなどで自動車のエアバッグに不具合が見つかり約1000万台のリコールを届け出た問題を受け、18日、エアバッグやチャイルドシートなどの自動車部品を製造するタカタ<7312>は、4~6月期の連結決算でリコール費用として約450億円の特別損失を計上する見込みだと発表した。

 タカタの製造したエアバックに不具合が見つかり、最悪の場合、破裂する可能性もあることから、ホンダやトヨタ自動車などの自動車メーカー各社が日本やアメリカなどで相次いでリコールを届け出た。リコールは2013年4月以降、約1000万台にのぼっている。こうした事態を受けて、タカタは先月以降のリコールのうち、約270万台分についてメーカーのリコール費用を負担するために、4~6月期の連結決算で約450億円の特別損失を計上する見込みだと発表。通期(15年3月期)の業績に与える影響については、確定次第明らかにするとしている。

 国土交通省によれば、このエアバックの不具合によりホンダやトヨタ自動車などの自動車メーカーが、13年4月以降リコールを届け出ている。最大で800万台の部品交換などが必要となると予想されている。タカタは今回発表した特別損失以外にも、13年3月期に約300万台分のリコール費用として299億円の特別損失を計上している。

 タカタの14年3月期の連結最終利益は111億円であった。そして今期の連結最終利益については160億円を期初目標としている。しかし今回発表された特別損失の金額は、これらを大きく上回っている。

 タカタはこのリコール問題を受けて今年の6月に、「このたびの事態を真摯に受け止め、更なる品質管理体制の強化・徹底を図り、再発防止に全社一丸となって取り組む所存です。また、国土交通省、及び取引先様が行う調査にも全面的に協力し、リコールへの対応措置に取り組んで参ります」とのコメントを発表している。

 リコールの対象となっているエアバッグは、作動時に金属片が飛び散ったり出火する恐れがあるとされている。そのエアバッグの部品は、アメリカの子会社が01年9月から02年9月に製造していた。(編集担当:滝川幸平)