ホンダ、タカタ問題により営業利益を下方修正

2015年02月02日 15:16

 今なお世間を騒がせている、自動車部品メーカーのタカタ<7312>が製造したエアバッグの不具合問題だが、その問題の影響はタカタだけでなくほかの企業にまで及んでいる。大手自動車メーカーのホンダ<7267>は、タカタのエアバッグ不具合問題の調査リコールの追加費用が必要となることなどから、今年度の業績見通しを下方修正するとの発表を行った。

 30日、ホンダは2015年3月期連結営業利益予想(米国会計基準)を、これまでの予想から500億円減らして、7200億円に下方修正するとの発表を行った。最終利益についても200億円減らして5450億円としている。タカタのエアバッグ不具合問題に伴う調査リコール費用の追加、また国内や中国での販売が落ち込んだことなどが影響した模様だ。

 通期の想定為替レートを1ドル=109円と、これまえでの予想から5円円安に下方修正し、これにより営業利益段階で690億円の増益要因となるものの、国内や中国での販売の落ち込みが700億円の減益要因となる。これに加えてタカタのエアバッグ不具合問題に伴う調査リコールの追加費用が500億円増加するため利益を押し下げる。これらの要因によりこれまで営業利益を前年比2.6%アップと予想していたが、前年比4.0%ダウンとマイナスに転じた。
 
 タカタのエアバッグ不具合問題について、ホンダは全米で560万台、全世界で698万台の車を対象に調査リコールを行っていたが、今回この調査に必要となると予想される費用を一括して計上。それがホンダの15年3月期連結営業利益予想を押し下げる大きな要因となった。そしてホンダは今後のタカタのエアバッグ不具合問題について、膨大な量の調査リコールを完了させるために、タカタと力を合わせて早急に対応しなければいけないとしており、しかしその一方でアメリカでの販売については、今のところタカタのエアバッグ不具合問題による落ち込みは見られないとの見解を示している。

 去年、何かと自動車業界を騒がせたタカタのエアバッグ不具合問題だが、しかしこの問題の余波は今年になってもまだまだ続きそうな気配だ。(編集担当:滝川幸平)