いよいよ残り5戦となったMotoGP。ポイントランキング争いも大詰めを迎え、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)とダニ・ペドロサ(ホンダ)の走りに注目が集まった。
第14戦が開催されるモーターランド・アラゴンサーキットはアップダウンや切返しの多いテクニカルサーキットで、マシンの総合力を問われるバラエティに富んだコースレイアウト。レースウィークの週末は金曜が終日雨、土曜日も午前中まで雨模様となり、午後もウェットな状態で決して路面状況も良くなかったが、予選はポイントリーダーのロレンソが競り合いを制し、ポールポジションを獲得。ライバルのペドロサが続き、好調のヤマハ勢がフロントローからセカンドローにかけ、6台中4台を占めた。
決勝当日はドライコンディション。ポイント争いで、ミスの許されないペドロサが2番手からロケットスタートを狙う。しかし、ポールポジションから素晴らしいスタートを見せたロレンソがホールショットを奪い、まずは有利なレース展開に近づけていく。同僚のベン・スピースも4番手から1つポジションを上げ、上々のスタートを切った。
レース序盤は、トップを争うロレンソとペドロサがほとんど差のないレース展開を見せ、ヤマハ勢のスピース、カル・クラッチロー、アンドレア・ドビツィオーゾとステファン・ブラドル(ホンダ)が3位争いを演じる。だがブラドルは4周目3位走行中に痛恨の転倒。3位以下を引き離しながら2台で走行するトップグループは、7周目にロレンソの動きを見ながらチャンスをうかがっていたペドロサがトップを奪う。チャンピオンシップ争いでは、決してロレンソより後ろでフィニッシュできないペドロサはここから、目の覚めるような走りを見せ、大量のリードを稼ぎにかかる。
残り15周で0.7秒差だった2人の差は、残り10周で4秒4差に広がり、ペドロサは独走状態のままチェッカーを受ける。ロレンソは転倒しそうになった後はチャンピオンシップのためにアタックを止め、2位キープに切り替え、フィニッシュ。
一方、3位争いは一層激しさを増し、ヤマハ勢同士のドッグファイトを終盤まで続けていたが、ドビツィオーゾがスピースをかわし3位が入れ替わった後、クラッチローも同僚を追い上げにかかり、スピースから4位の座を奪う。結局、チームメイトバトルとなった3位争いはドビツィオーゾに軍配が上がり、今季6度目の表彰台をもぎ取った。
レースは、今シーズン4勝目を上げたペドロサが5ポイント差を縮め、リーダーのロレンソに33ポイント差とした。しかし、依然としてロレンソが有利であることに変わりはない。残り4戦、この2人がどのようなレースを見せるか、ますます目が離せなくなった。
次戦はいよいよツインリンクもてぎで開催される日本GP。注目の決勝は10月14日に行われる。(編集担当:加藤隆文)