帝国データバンクでは、企業概要ファイル「COSMOS」から「株式会社」「有限会社」の代表を務める社長のデータを抽出。各年末時点における女性社長比率の推移を比較した。その結果、2014 年の女性社長比率は 7.5%で、1991年以降、女性社長比率は24年連続で前年比上昇していることがわかった。
各年末時点の女性社長比率を見ると、2014 年は男性92.5%に対し、女性は前年を 0.2 ポイント上回る7.5%となった。これにより、比較可能な1991年以降、24年連続で女性社長比率が前年比上昇していることが判明した。毎年、0.1ポイント程度ではあるが、着実に前年を上回る状態が続いている。
20年前の1994年には女性社長比率は5.1%で、19.6社に1社が女性社長であった。それが、10年前の2004年には、女性社長比率は6.0%となり16.7社に 1社に、そして2014年には13.3社に 1社にまで比率が高まっている。
都道府県別に見ると、最も女性社長比率が高かったのは青森県で 10.14%。47 都道府県のうち、唯一の10%台となった。2位は沖縄県で9.95%、3位は徳島県で9.78%、4 位は佐賀県で9.64%と続く。一方、岐阜県は4.93%で、唯一の 4%台となった。このほか、女性社長ランキングの下位には岐阜県に加え、静岡県(6.01%)、愛知県(5.85%)と、中部エリアの県が目立っている。
また、10年前の2004年と比較すると、47都道府県全てで10年前より上昇していることが判明した。なかでも、最も上昇したのは沖縄県で、4.89ポイント(2004年:5.06%→2014年:9.95%)の上昇を記録した。以下、佐賀県の3.25ポイント上昇、鳥取県の3.00ポイント上昇と続く。沖縄県は、小売業やサービス業を中心として女性社長比率が上昇したほか、佐賀県では飲食店の上昇が目立った。一方、愛知県(0.96ポイント上昇)、東京都(0.87ポイント上昇)、神奈川県(0.83ポイント上昇)など、都市圏では女性社長比率が上昇しているとはいえ、他と比較すると低い伸び率となっている。
そして、各年代の女性社長比率を見ると、80歳以上が13.39%となり最も高く、次いで30歳未満が 9.97%となった。40代を底に、年代の高い区分と低い区分で女性社長比率が高かった。出産や子育て等で活躍できる女性が減る一方、経験を経た男性の起業が増えることから、40代まで女性社長比率が低くなる一方、男性社長の死去後に妻が社長となるといったケースが、年代の高い区分の女性社長比率を押し上げているとみられる。10年前、20年前と比較すると、30歳未満から60代までの区分で女性社長比率は10年ごとに上昇しているが、70代と80歳以上の区分では男性社長の高齢化もあり、2004年から2014年で低下している。(編集担当:慶尾六郎)