日本国内で少子化の問題が叫ばれて久しい。育児を女性だけでなく、男性も共に担うことができるように働きかけが見られる。「イクメン」という言葉を聞くようになってきたが、メディアで見かけるほど本当に育児に参加している男性は増えているのか。正直、筆者の周辺でも子育てに積極的に参加している男性というのは稀な存在である。
なかなか変化の気配を見せないこのような問題に、度々政府も提案を示してきたが、改善の兆しが見えにくくなっているのが現状だ。しかしこの度、政府はこれまでの「子育て支援中心」の対策案ではなく、初めて結婚の段階からの対策案を閣議決定するに運びになったのである。
具体的な内容は、数値目標として2020年までに配偶者の出産直後に男性も80%が休暇を取れるようにするということ。現状では2%に留まっている男性の育児牛業の修得率を、13%まで引き上げることが掲げられている。
さらには、結婚につながる出会いの場を提供するという内容も盛り込まれている。これまでも各自治体によって婚活パーティが主催され、地域に若いカップルを誕生させてきた。これを、今度は政府が支援していくというのだ。
また、3人以上の子供を持つことができる環境を整備するため、保育料の無料化など負担を軽減する対策も検討されているのである。今回の閣議決定に際し、有村少子化担当大臣は、「現在の我が国の少子化の状況は、社会経済の根幹を揺るがしかねないという危機感を持って、少子化対策に全力で取り組みたい」と抱負を語っている。
けれども世間からは、「男性が休業している間の給与はどうなるのか」「本当にこれで少子化を防ぐことができるのか」「2人目の子供もためらっているのに3人目から焦点があてられている」といった意見が相次いだ。
政府から見た少子化と、世間が感じている問題には根本的なズレがあるように思えてならない。政府の目標としている20年まで、あと5年あまりである。果たしてそのときまでに目に見える形で成果が表れるかどうか、注意して推移を見守っていきたい。(編集担当:久保田雄城)