今年の夏休みの旅行意欲は高く、国内旅行がけん引して総旅行人数は過去2番目となるようだ。JTBは、「夏休み(7月15日~8月31日)に、1 泊以上の旅行に出かける人」の旅行動向の見通しをまとめた。
この調査は、1,200人から回答を得た旅行動向アンケート、JTBグループの販売状況、航空会社の予約状況、業界動向、経済動向から推計したもので、1969年に調査を開始して以来、47回目となる。
それによると、2015年の夏休みの旅行者動向における総旅行人数は、前年比0.1%の7,816 万人となり、2014年を上回り過去2番目となる見込み。総務省発表の5月の家計調査によると、2人以上の世帯の1世帯当たり消費支出は前年同月比4.8%増となり、2014年3月以来 14カ月ぶりに増加となった。総務省は消費増税の影響がなくなったことに加え、消費の回復が支出増加につながったとみている。
また、厚生労働省発表によると5月の有効求人倍率は、1.19倍となり23 年ぶりの高水準と雇用環境も好転している。また、2015年夏の経済状況をみると、夏期ボーナスの増加などにより所得の向上が見込まれる。今回実施した旅行動向アンケートの「旅行支出に対する意向」では、「支出を増やしたい」が16.0%と対前年比で3.5ポイント増加した。旅行意欲は堅調であると考えられ、夏休み期間の国内旅行人数は0.2%増の7,561万人と予想している。しかし、円安傾向が続いていることや国際情勢や感染症などへの不安から、海外旅行人数は1.9%減の255万人の見込み。
夏休みの旅行の同行者においては、「夫婦のみ」「三世代」「家族と友人・知人」が増えている一方で子供がいる世帯は減少している。消費は回復しつつあるものの、5月の消費者物価指数が前年同月比で 0.1%上昇(総務省発表)しており、光熱費や日用品などの値上げが影響していると考えられるとしている。
さらに、JTBの国内・海外旅行の予約状況によれば、国内、海外ともに6年ぶりのシルバーウィーク(9 月19日~23日の5連休)に旅行を計画している人も多く、期間中のルックJTBの予約状況は、前年同期比で180%、エースJTB(首都圏発)では同288%と8月出発の旅行に先んじて旅行予約が好調である。
前述のアンケートにおいても「旅行に行かない理由」として、「夏休み以外の時期に旅行する」が、15.4%で、2.7ポイント増加している。JTBでは、今年の夏は、9月までを夏休みの期間としてとらえる人も多そうだと分析している。(編集担当:慶尾六郎)