外国人が好きな日本とは「伝統文化」、「食」そして「自然」

2015年07月02日 07:42

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電通は、日本の文化や強みを生かした商品やサービスを海外展開する「クールジャパン」関連事業において、顧客企業のマーケティング活動支援を目的に4月に20カ国・地域 で「ジャパンブランド調査2015」を実施した。

 外国人が好きな日本とは「伝統文化」、「食」そして「自然」だった。電通は、日本の文化や強みを生かした商品やサービスを海外展開する「クールジャパン」関連事業において、顧客企業のマーケティング活動支援を目的に4月に20カ国・地域 で「ジャパンブランド調査2015」を実施した。

 この調査は、親日度(日本に対する好意度)の地域別状況、日本および日本産品に対する興味関心やイメージの詳細なデータ・知見の収集を目的としている。20カ国・地域とは、中国(北京、上海)、香港、韓国、台湾、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシアである。

 それによると、まず日本に対する好意度が高い地域のトップは、昨年に引き続き「ベトナム」と、昨年5位から順位を上げた「台湾」が同スコアで1位になった。日本の好きなところのトップ3は、「伝統文化」「食」「自然」の順だった。また、「最も好きなところ」を一つ選んでもらうと、「技術力」が「自然」を抜いて3位にランクイン。これら以外では、日本人の気質(勤勉さ・親切さ等)やホスピタリティーが上位になった。

 また、日本でやりたいことについて聞いてみると、全体で最も回答が多かった活動内容は「日本食を食べる」ことだった。次いで順に「自然・景勝地観光」「史跡・歴史的建造物観光」となった。東アジア地域では「温泉入浴」、ASEAN地域では「四季の体感」も人気だった。日本で「日本食を食べる」ことに興味がある人限定で「日本食の購入・飲食意向」を見てみると、「寿司」「刺身」「天ぷら」「ラーメン」のスコアが高い。これらのメニューは知っている・食べたことがある日本食でも上位に挙げられており、みんなが知っていたり、食べたことのある日本食を、本場日本のより本格的・多彩な味で楽しみたいと考える人が多いと推察している。
 
 そして、日本の代表的な地名を並べて認知・訪問意向を聞いたところ、認知・訪問意向ともに、全体では「東京」がトップ。特に認知度は高く、約9割(89.5%)の人が「東京」を知っているという結果になった。訪日観光客が多い東アジア地域では、「北海道」や「沖縄」が行きたい場所として東京を上回るケースが目につくとしている。また、体験したい地方のものとしては「自然」「温泉」「郷土料理」のスコアが高いが、東アジアではトップ3の中に「ラーメン」が入る地域が多く、ご当地「ラーメン」への関心の高さがうかがえるとしている。

 一方、興味関心のある日本の物事で最もスコアが高かったのは「日本食」だった。次いで「旅行」「温泉」となった。それ以外では、「日本庭園」「日本の四季」「日本の神社・仏閣」「日本の祭り」「日本のリゾート」など観光に関する項目が数多くトップ10入りした。

 優れていると思う日本の物事では技術関連の項目が多数トップ10入り。最もスコアが高かったのは「日本のロボット工学」だった。「ロボット工学」は興味関心のある物事のトップ10にも入っており(9位)、世界における日本のロボット技術への注目・評価の高まりがうかがえる。また、優れていると思う日本の物事について昨年と比較すると、日本のサブカルチャーやコンテンツ系のスコアが減少する中、唯一微増となったのは「日本の温泉」。アジアだけでなく欧州でもスコアを上げた国が多いとしている。(編集担当:慶尾六郎)