シャープが大スペース用プラズマクラスターイオン発生機発売

2012年06月29日 11:00

 シャープが、「高濃度プラズマクラスター25000」を搭載した大スペース用天井埋込型イオン発生機<IG-2B35A>を発表。食品加工工場などで浮遊菌の抑制と節電を実現する製品となっており、7月上旬から販売される。

 節電への対応が急務となっている中、水産加工工場をはじめとする生鮮食品の加工工場では、工場内の管理温度を高めに設定するなどの対応をした際に、温度上昇による菌の増殖が課題となっている。こうした状況を受けてシャープは、垂水市漁業協同組合と共同試験を実施。小スペース用天井埋込型イオン発生機<IG-1B10A>44台を約360m2の水産加工工場に設置し、管理温度15℃と17℃でプラズマクラスターイオンなしとありの場合の浮遊菌をエアーサンプラーで測定した。結果、17℃プラズマクラスターイオンありの環境での浮遊菌数が、15℃プラズマクラスターイオンなしの環境での浮遊菌数と同等レベルであり、衛生管理手法(HACCP)に沿った高い衛生環境が維持できることを確認。この結果を受けて大スペース用の製品化を実現した。

 天井面から床面に向かって吹き出す気流により適用空間全体にプラズマクラスターイオンが降り注ぐ、天井埋め込みならではのダウンフロー効果で、プラズマクラスターイオンを効率良く作業空間に拡散し、浮遊菌を抑制。さらに、管理温度を2℃上げることで約20%の節電効果が期待できるだけでなく、作業空間の温度を高めることで冷え過ぎを抑え、作業者の身体的負荷も軽減するものとなる。本機はすでに、本年4月末、宮城県牡鹿郡のヤマホンベイフーズの水産加工工場に先行導入されている。

 標準運転時で21W、フルパワー運転時で30Wと低消費電力も実現。1日24時間運転での年間電気代は、標準運転時で約4050円、フルパワー運転時でも約5780円となり、適用空間の管理温度を2℃上げることによる節電効果に対し軽微なものだという。生鮮食品の加工工場にとって非常に有用なものであろう。しかし、7月上旬からの発売で受注生産、検討する期間や工事等の予定も含めると、本当に必要な時期に間に合うのであろうか。