甘利明経済再生担当大臣は20日のNHK日曜討論で、事業費ベースで20兆円規模の緊急経済対策で企業の業績が伸びたときに、その効果が給与引き上げにつながるよう「給与引き上げには法人税で恩典を設けたい」と語った。
新自由主義が社会全体に広がる中で、企業は業績が上昇してもその成果を設備投資や内部留保、株主配当にまわし、従業員の給与引き上げに回すのを最後にする傾向がある。このため、公共事業の発注が給与引き上げ、消費拡大に結びつくのか疑問視する見方もある。
甘利大臣は、こうした懸念を軽減し、事業効果を促進する観点から、法人税で有利な扱いを検討するものとみられる。
政府は経済再生を最優先に事業費ベースで20兆円規模の緊急経済対策を行うことにより、GDP2%上昇、60万人の雇用創出効果をめざしているが、内需促進には労働者の可処分所得を増やすことが必須になっている。(編集担当:森高龍二)