経済財政諮問会議は希望を生み出す強い経済実現に向けた緊急対応策をまとめた。(1)法人税改革については28年度の税率引き下げ幅を確実に上乗せし、税率を早期に20% 台に引き下げる道筋をつける。企業の持続的な設備投資拡大、賃金引き上げ等を後押しするなどをあげている。
また(2)未来投資に向けた官民対話等を通じ、企業に対して設備、技術、人材に対する積極果敢な投資を行う後押しを継続。政府は投資を阻む規制改革に取り組むとした。
また(3)省エネルギー性能に優れた住宅・建築物、燃料電池自動車等の次世代型の自動車の取得負担を軽減し、エネルギーコストの削減を図るとともに、消費・生産への波及効果 の高い住宅投資・耐久財消費を促進するなどをあげた。
賃金については(4)最低賃金は年率3%程度を目途とし、名目GDPの成長率にも配慮しつつ引き上げていく。これにより全国加重平均が時給1000円となることを目指すとしている。
また(5)賃金・最低賃金の引き上げに向けて、中小企業・小規模事業者の生産性向上等のための支援や取引条件の改善等を図る。賃金引き上げの恩恵が及びにくい低年金受給者に支援を行うこともあげた。
(6)就労促進の観点から、103万円、130万円の壁の原因となっている税・社会保険、配偶者手当の制度の在り方に関し、国民の間の公平性等を踏まえた対応方針を検討する。
(7)年5日の時季指定を事業主に義務付けることによる年次有給休暇の取得促進や中小 企業における月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率の引き上げ等を内容と する労働基準法等の一部を改正する法律案の早期成立を図ること等により、長時間労働を削減する。また定期健康診断の受診及び受診後の措置の徹底を図ることなどをあげている。(編集担当:森高龍二)